レーズンバター(hyde)

そしてhydeはまたカウンターに座り飲み始めた。

「ありがとうございました」

お礼を言うだけで精一杯。

hydeのおかげでもう縛られなくなったのが嬉しい事実。

「あの…大丈夫ですか?」

あれだけ飲んだのだから
さすがにhydeだって酔っただろうと心配する河南。

するとマスターが河南にさっきと同じウォッカを出した。

さすがにウォッカはキツいはず。

でも口を付けた。

河南はマスターとhydeと交互に見た。

中身は水。
マスターもhydeも役者揃い。

三人でおかしくなって笑いあった。

hydeも最初はびっくりした。

今回はマスターに助けられた。

店をあとにして
お互いが帰宅しようとしていた。

「今日は本当にありがとうございました」

河南が頭を下げるとhydeと目が合う。

眼力の強さに逸らせない。

河南の胸は異様なほどに高鳴ってしまう。

hydeの手が河南の手に触れる。

そのまま手を握ると更に近づくhyde。

hydeからそっとおでこにキスして見つめ合う。

「おやすみ」

「おやすみなさい」

胸が高鳴りすぎて精一杯にそれしか発せられなかった河南の言葉。

hydeの後ろ姿を見送って河南も帰宅した。
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