レーズンバター(hyde)

「hydeさん、行って下さい」

こんな男の戯言に付き合わせられない。

河南はhydeに気にしないで帰ってもらうようにうながした。

「別れてって言ってるじゃない」

「お前と別れたらあいつに会いにくくなるじゃん」

最低極まりない
この男の発言に
握った拳を振り上げたい気持ちになる。

けれど平然を装い
河南はマンションに向かって歩き出した。

ため息が出る。

どうしてあいつを好きになったのか
今になったら分からない。
でも好きになって付き合ったのは事実だから
余計に惨めになる。

自分の部屋なのに
hydeと過ごすOWLの方が
居心地良いと思いながらベッドに横になる河南。

妹の部屋からは
最近お気に入りのミュージシャンの音楽が聞こえてくる。
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