pretty girl(ken)
ーKen sideー
河南の手を握る。
暖かくて細くて柔らかい手が俺は好きだ。
どんな子よりも河南が一番好きだ。
それに応えてくれる河南も好きなのに
河南は手を反らした。
そして目も反らした。
テツと話して
ユッキーと話して
hydeと話しても俺とは話さない。
俺には笑顔も見せてくれないことに腹が立つ。
苛立って席を立ち
外に行くと河南がついて来た。
何も言わずに河南は俺の手を掴む。
「Kenちゃん・・・」
泣きそうな声が分かる。
わざとあの子らに分かるような席にしたのに
それが裏目に出た。
『何やってるんやろうな、俺』
河南を守るつもりで
あの子らも何も言わなくても察するだろうと
うかつだった。
河南を抱き締める。
『痛かったやんな、ごめんな』
河南は首を横に振ると言った。
「もう離れないでいい?」
『当たり前やん』
席へ戻ると変わらない騒がしさ。
だけど河南への視線は止まない。
『ちょっとみんな聞いてくれへん?』
騒がしい会場を静かにさせた。
やっと言える。
『実はさ、こいつ』
河南を立たせる。
『俺の彼女』