Jewel box(hyde)

今日は何を食べようかな
仕事中に頭をよぎるのはそんなことばかり。

ただのOLの楽しみなのだ。

でもやはり今日も肉がいい。

このところ食べ損なっているお肉。

我慢の限界だ。

美味しいステーキがいいな。

厚くて肉汁たっぷりで
脂っぽくなくてさっぱりした!

そこまで当てはまるお肉はやっぱりA5かな。

これじゃ解けない夢の呪縛だ。

探し求めて歩くとまたあの建物の前だった。

値段が高いと苦笑いした
私は不適切だと言われた気がした
あの敷居高いお店。

いやいや、ここはもう諦めたはず。

私には手が出せないそこに導かれたのは
あなたのせいだったのかな。

次に行こうと踏み出せば私を呼ぶ声がした。

『河南ちゃんだよね?』

誰だかも分からない
あのオーラの人物が後ろにいた。

知ってるはずもない人物に
困っていると素顔を見せてくれた。

その仕草に一瞬ドキッとした。

『俺』

そう言われると知っている顔があった。

「hydeさんですか?」

何度か見かけたと言われて思い返す。

「三度目ですかね」

オーラの違いに
逃げ出すように背を向けていたのは
知っているhydeさんだったのだ。
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