美男と野獣(hyde)

hydeは仕事場でも気取らず
変わらずに気さくに話してくれて
スタジオに来た日は一緒に帰る。

キスも増えたけど
体の関係も増えた。

最近ではぽっちゃりしてる体の部分も
手触りが気持ちいいと
hydeとのスキンシップも増えた。

くすぐったいと訴えても
なかなか止めてくれない。

私が気にしてばかりいるから
きっとhydeの優しさだろう。

この間、思いきって
私のどこが良くて恋人にしたのか
hydeに聞いてみた。

『河南の明るくて愛嬌があるところかな』

明るく挨拶してくれて
話をすれば漫才みたいな会話になって
時にはおっちょこちょいで
その場を和ませてくれたり
よく気が利くし
受付にいるのが勿体ないくらい
メンバーもみんな河南が好きなんよ
そう教えてくれた。

それでも外見を気にする人もいるだろう。

まだ一緒に歩いたり
映る自分を見れば醜いと感じることもある。

だけどhydeのおかげで少しは自信が持てた。

休日の午後。

『河南、コーヒー入れて~』

hydeの甘ったるい、なで声が響く。

洗濯物を畳みながらキッチンへ行って
バリスタの機械のスイッチを入れる。

いつもと変わらない
何気ない動作をしていると
hydeのカップに蝶が止まっていた。

リングを手にしてhydeの元へ行く。

「ねぇhyde、カップに指輪入ってたよ?」

『それ河南の。俺のここにあるもん』

確かにhydeの指には
しっかりと蝶が止まっている。

新しい仲間?

相変わらず鮮やかな色をしているそれを
眺める。

するとhydeが
持っていた指を私の左薬指にはめた。

『お揃いやね』

二匹の蝶が指を彩る。

『河南は明日から俺の奥さんね』

「えっ?」

『俺もおっさんになったし
そろそろ身を固めようかなと思って』

『だから結婚しよ?』

今日も垂れ目なhydeに私の気持ちは奪われる。

心臓が早く動き過ぎて
脳の指令と言葉が上手く出てこない。

口だけをパクつかせていると
抱き締められた。

『返事は?』

私は自分からぎゅっと力を込めた。

「よろしくお願いします」
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