美男と野獣(hyde)

『河南?』

車の後ろに隠れていたのを
hydeに発見される。

『おいで』

差し伸べてくれる手が
求めていた人だと実感する。

手を取るとしっかりと起こして
抱き締めてくれた。

『そんなに泣かへんの』

涙を拭ってくれる。

そのままhydeの家に行く。

車を降りてからずっと手を握っている。

温かい男の人の手。

ソファに座らされるとhydeは私の前の
床に座った。

『昨日、休んだやん?
俺に会いたくなかったん?』

こんに優しくしてくれて
あなたほどの人なんていないのは分かる。

だけど本当に私でいいの?

hydeの回りには沢山の芸能関係者がいて
沢山の綺麗な女性ばかりなのに。

「hydeのこと・・・」

言い切るまで相槌を打ちながら待ってくれる。

「好きだから」

ぎゅっと手を握ってくれる。

テレビで見る目力じゃなくて
垂れ目の瞳に私が映っている。

「私でいいのかなって
綺麗じゃないし、スタイル悪いし」

『それで?』

「自信なくて・・・」

『俺は河南がいいんやけど
それだけじゃダメなん?』

「本当に私でいいの?」

すると微笑むhydeが言った。

『河南だからお揃いなんやけどな』

胸元のペンダントと
車の鍵についている蝶のこと。

その晩、hydeと一緒に眠った。

まだ自信は戻せなかったけど
hydeが大事な人だと
hydeの優しさが教えてくれた。
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