twinkle twinkle(ken)

『河南ちゃんの夢は?』

「保育士になれればいいかな」

そう伝えたら笑顔で
河南ちゃんに似合ってると
頭をなでなでされた。

だけど夏期講習の結果があまり良くなかった。

するとKenちゃんが
気分転換にと
夕暮れがキレイな遊園地に連れていってくれた。

無理矢理おばけ屋敷に入らされ
冷や汗をかいたのも
コースターで絶叫したのも
観覧車でドキドキしたのも
全てKenちゃんとの思い出。

自宅に帰るとすぐに
KenちゃんからLINEが届く。

河南ちゃんの夢が叶うように
応援してるから
心が折れそうになったら
連絡しなさい。

そう先生みたいな
Kenちゃんらしい文面に
頑張れる気がした。

秋口の日曜日。

図書館の帰り道でLINEが鳴った。

『今どこー?』

「図書館の帰り道です」

『邪魔しちゃアカンから帰る』

「えっ?Kenちゃん今どこですか?」

『河南ちゃんちー』

急いで走る。

家の手前のカーブを曲がった先に見慣れた車と
大好きな笑顔。

息が切れているのを
落ち着かせる。

Kenちゃ・・・

言い終わる前に
私とKenちゃんの間に大きな影が出来る。

何・・・?

影の横からひょっこりKenちゃんが顔を出す。

『誕生日おめでとう』

「嘘・・・」

私より大きなラグベベのぬいぐるみ。

信じられなくて
びっくりしすぎて
呼吸が止まりそう。

私ですら忘れかけていた事実なのにどうして。

河南ちゃんの学生証見たもんってKenちゃんスマイル。

嬉しすぎて涙が出る。

するとKenちゃんに抱き締められた。

『河南ちゃんが保育士さんになるの待ってるから』

最高の誕生日。

声をあげて泣いたら
Kenちゃんが笑ってた。
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