propose once again(hyde)

「ちび人も帰って来るし
やっぱりもう行くわ」

『河南・・・』

急に後ろから抱き締められた。

何?

かなり動揺して
胸が張り裂けそう。

『右腕はちび人
左腕は河南。
お前達に縛られてもいいって証』

いばらの棘は
私と息子。

あなたの腕を傷つけても
あなたのそばにいる。

流れる一筋の涙は
秀人の腕に落ちた。

『あんな気持ちにさせてごめん』

音楽が楽しくて
家族より優先させてたのは確か。

河南があんな気持ちになってたなんて
分かろうとしてなかった。

河南なら離れないだろうって勝手に思って。

本当にごめん。

そう秀人が言ってくれた。

「私もごめんなさい。
妻として秀人の気持ち理解出来なくて」

秀人に甘えさせることが出来なくて
責めてばかりいた。

勝手に愛情がなくなったと思って
離れようとした。

それも終止符が打てるかな。

『愛してる』

耳元でhydeの声がする。

反則だよ。

感じてしまう。

窓からは夕焼けが入り込み
部屋中が
オレンジ色に染められている。

背中には秀人のぬくもりが
何だかくすぐったい。

一秒が
一分が長く長く苦しい。

秀人の腕を解き向き合う。

今さら緊張してなのか
顔を見ることすら出来ない。

おでこを秀人の胸に当てた。

「私も愛してる」

すると秀人が笑った。

『こんなに一緒にいるのに緊張するん?』

笑いながら私を抱き上げると
隣の部屋へ進んだ。

ベッドへ押し倒される。

胸のうるさい止まない音。

真剣な秀人の目から
視線が離せられない。

絡む指。

『結婚しよう』

もう一度。

初めから。

軽い口づけの後。

「よろしくお願いします」

笑い合う。

また重なる唇。

「待って」

ちび人が・・・

『心配ない』

KAZといるよ。

それを受け入れる。

シャワーを浴びて出てくると
スウィートルームには
沢山のお料理とワインが並べられていた。

あまりの凄さに
自分の旦那がhydeだと思い出した。

その日
12年ぶりに二人きりのクリスマスディナーを楽しんだ。

やっぱり間違いない。

私が愛した人には
私との運命の赤い糸が繋がっている。
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