propose once again(hyde)

息子を学校へ送り出した後、いつもの家事。

今日は久しぶりに
あなたがリビングにいる。

「コーヒー飲む?」

いつものあなた仕様の配分。

カップを置くと
離れた位置に座った。

ビーストパーティに向けた新曲を完成させ
これからメディア露出で
また忙しくなる。

つかの間の休息なら
そっとしておこう。

それとも昨日の罪滅ぼしかな。

どっちにしても
今、あなたがここにいる。

15年も一緒にいるのに
それだけで胸が高鳴る。

「15年だね」

『せやね』

「15年もありがとう」

『こちらこそ』

お互いの顔を見ない会話。

私はあなたを見て
笑ってみたのに
あなたは顔をあげない。

「来月、お盆だからちび人を連れて実家に帰るつもりなんだけど・・・」

秀人はどうする?

そう言う前だった。

『お前だけ帰るとええよ』

ちび人は俺が連れて行く。

だからのんびり
ゆっくりしておいで。

優しさなのか
厄介払いなのか
疑ってしまう。

「じゃあ、そうさせて貰うね」

お盆だよ?
あなたの実家にも行かない。
私の実家にも行かない。

hydeだから望まないけど。

夫婦で帰ったのどのくらい前だったかな。

聞こえてしまうくらいの
深いため息が出る。
4/10ページ
スキ