propose once again(hyde)
7月7日
私は秀人に何も言わずに
小さなケーキと
シャンパンを用意して
自宅で待っていた。
そう15回目の結婚記念日。
覚えているのなら
メールのひとつもくれるかなと
期待したのに。
無惨に時計は日付を変えた。
開けないシャンパンと
溶けかかったケーキを
見せびらかすようにリビングに放置した。
朝、起きると
隣には珍しく秀人の姿。
その姿を見て
寂しくて悲しくて
殺してやりたくもなった。
もう15年。
あなたはきっと愛想が尽きたのでしょうね。
私よりももっと
若くて綺麗な人が良くなったのでしょうね。
もう潮時だろう。
初めて離婚の文字が頭をよぎった。
ベッドを出ようとした私の手を
秀人が掴んだ。
『忘れてたわけやないんやけど・・・』
「うん。大丈夫」
本当は大丈夫じゃない。
責めたくなるけど
羽ばたくための羽を見ると
言葉が止まる。
理由はどうあれ
あれを見て思い出してくれたのなら
まだ救いようがあるのかな。
「大丈夫だから、ゆっくり寝て」
長いまつげ。
長い前髪。
男らしい髭。
きっと私しか知らない
気の抜けた寝顔。
久しぶりのぬくもりの痕は
なかなか腕から離れない。
ああ
やっぱり愛してる。
私たちにとって
七夕の結婚記念日は
まるで
織姫と彦星のように
年に一度だけ
愛を確かめられる術なのかな。
七夕だからと
軽い気持ちで決めた記念日も
これじゃ寂しすぎるよ。
私は秀人に何も言わずに
小さなケーキと
シャンパンを用意して
自宅で待っていた。
そう15回目の結婚記念日。
覚えているのなら
メールのひとつもくれるかなと
期待したのに。
無惨に時計は日付を変えた。
開けないシャンパンと
溶けかかったケーキを
見せびらかすようにリビングに放置した。
朝、起きると
隣には珍しく秀人の姿。
その姿を見て
寂しくて悲しくて
殺してやりたくもなった。
もう15年。
あなたはきっと愛想が尽きたのでしょうね。
私よりももっと
若くて綺麗な人が良くなったのでしょうね。
もう潮時だろう。
初めて離婚の文字が頭をよぎった。
ベッドを出ようとした私の手を
秀人が掴んだ。
『忘れてたわけやないんやけど・・・』
「うん。大丈夫」
本当は大丈夫じゃない。
責めたくなるけど
羽ばたくための羽を見ると
言葉が止まる。
理由はどうあれ
あれを見て思い出してくれたのなら
まだ救いようがあるのかな。
「大丈夫だから、ゆっくり寝て」
長いまつげ。
長い前髪。
男らしい髭。
きっと私しか知らない
気の抜けた寝顔。
久しぶりのぬくもりの痕は
なかなか腕から離れない。
ああ
やっぱり愛してる。
私たちにとって
七夕の結婚記念日は
まるで
織姫と彦星のように
年に一度だけ
愛を確かめられる術なのかな。
七夕だからと
軽い気持ちで決めた記念日も
これじゃ寂しすぎるよ。