Caress of Venus(hyde)
その日は社内がいそいそしていた。
心ここにあらず的な社員が多かった。
かたや、hydeの声録りでブースにはhydeがいる。
かたや、新プロジェクトで
某メンズアイドルの数人が打ち合わせをしている。
hydeやメンズアイドルの登場で
男性社員も女性社員もソワソワしているのが
目に見えて分かる。
今日は来ないの?
ブースに居るhydeからLINE。
別の打ち合わせ
そう返事を返すとすぐに付く既読。
涙的なスタンプを返されて
ごめん的なスタンプを返す。
打ち合わせが終わると同時に
hydeの声録りも終わって
両者鉢合わせになった。
hydeだって気付かれて
芸能人同士の挨拶が始まってしまった。
普段は共演NGとか揉め事がないよう
鉢合わせしないように気を付けていたのに
メンズにも人気のhydeは
あっという間にアイドルの的になった。
参ったなぁと顔に出てしまい
後輩の彼女が自分の確認ミスですと
私に伝えてくる。
hydeを次の仕事があるからと
半ば強引に引き離してエレベーターに乗せた。
すみませんでしたと謝ってきた後輩に
大好きな芸能人なんだから
余計に気を付けるように言いながら退社させる。
さて、私も今日は帰ろうかな。
hydeから電話が鳴る。
通話しながらまたブーススタジオに戻る。
「あった」
hydeのブレスレット。
邪魔だからと外して置きっぱなしにしたらしい。
自宅に届けて欲しいと言われて足を向けた。
オートロックのインターホンを鳴らす。
ここの家賃幾らなんだろう。
ついそんな事を思ってしまうほどのマンション。
「ごめん、気づかなくて」
本来なら忘れ物も
しっかりチェックしないといけない。
今日はhydeに対する失態が多かったことを謝る。
河南に会えるからいいよ
そう言ってhydeに抱きしめられる。
上がってく?
だけどそう言われて甘えられない。
「まだ仕事が」
タクシー待たせてて。
実はhydeの自宅に向かうタクシーの中。
今日、打ち合わせをしたアイドルから
呼び出しを受けた。
どうしても今から、そう言われて
行かなきゃならない。
分かった。
hydeは届けたブレスレットを私に付ける。
お守り。
キスをしてまたタクシーに乗り込んだ。
ブレスレットを見つめる。
ちょっと嬉しくて
キスの温度がまだ残っている唇を噛み締める。
先約があると言ったら
何時でもいいから来てと言われた。
朝までいるからと指定された場所はクラブ。
打ち合わせにクラブとか若いなぁと
ため息が出る。
もう一度、ブレスレットを見て気合いを入れた。
賑わってるそこで彼を探すのは困難だ。
彼を見つけたのは汗だくになってから。
私の顔を見るなり
キャスティングや脚本が気に入らないと言い出し
自分がセンターだからとやり直すように言われた。
もう事務所の許可が出ていると返しても
ダメ、俺が気に入らないと拉致が開かない。
もう一度考え直すからと解放されたのは
日付が変わっていた。
疲れた体をベッドに投げ出したら
そのまま眠ってしまったようだ。
河南、好きだよ。
また見た夢の相手がhydeじゃなくて
彼だったことに飛び起きたら明け方だった。
シャワーを浴びても夢が脳裏に貼り付いてる。
自宅にいる?
そうLINEを打つ事もなく
hydeの自宅のインターホンを鳴らした。
昨日顔を見たばかりなのに
無性に会いたくなって
まだまばらにしか人が活動していない時間。
まだ寝ているだろうhydeの自宅。
低い声がインターホン越しに聞こえる。
hyde、私。
そう伝えてカメラを見るとロックが開いた。
もう一度、
部屋の前の玄関でインターホンを鳴らす。
どうした?
hydeの声を聞いて
hydeの顔を見て抱きついてしまった。
おっと
受け止めてくれて頭を撫でてくれる。
「充電させて」
やっぱり夢に出てくるのはhydeがいい。
hydeじゃなくちゃ嫌だ。
心ここにあらず的な社員が多かった。
かたや、hydeの声録りでブースにはhydeがいる。
かたや、新プロジェクトで
某メンズアイドルの数人が打ち合わせをしている。
hydeやメンズアイドルの登場で
男性社員も女性社員もソワソワしているのが
目に見えて分かる。
今日は来ないの?
ブースに居るhydeからLINE。
別の打ち合わせ
そう返事を返すとすぐに付く既読。
涙的なスタンプを返されて
ごめん的なスタンプを返す。
打ち合わせが終わると同時に
hydeの声録りも終わって
両者鉢合わせになった。
hydeだって気付かれて
芸能人同士の挨拶が始まってしまった。
普段は共演NGとか揉め事がないよう
鉢合わせしないように気を付けていたのに
メンズにも人気のhydeは
あっという間にアイドルの的になった。
参ったなぁと顔に出てしまい
後輩の彼女が自分の確認ミスですと
私に伝えてくる。
hydeを次の仕事があるからと
半ば強引に引き離してエレベーターに乗せた。
すみませんでしたと謝ってきた後輩に
大好きな芸能人なんだから
余計に気を付けるように言いながら退社させる。
さて、私も今日は帰ろうかな。
hydeから電話が鳴る。
通話しながらまたブーススタジオに戻る。
「あった」
hydeのブレスレット。
邪魔だからと外して置きっぱなしにしたらしい。
自宅に届けて欲しいと言われて足を向けた。
オートロックのインターホンを鳴らす。
ここの家賃幾らなんだろう。
ついそんな事を思ってしまうほどのマンション。
「ごめん、気づかなくて」
本来なら忘れ物も
しっかりチェックしないといけない。
今日はhydeに対する失態が多かったことを謝る。
河南に会えるからいいよ
そう言ってhydeに抱きしめられる。
上がってく?
だけどそう言われて甘えられない。
「まだ仕事が」
タクシー待たせてて。
実はhydeの自宅に向かうタクシーの中。
今日、打ち合わせをしたアイドルから
呼び出しを受けた。
どうしても今から、そう言われて
行かなきゃならない。
分かった。
hydeは届けたブレスレットを私に付ける。
お守り。
キスをしてまたタクシーに乗り込んだ。
ブレスレットを見つめる。
ちょっと嬉しくて
キスの温度がまだ残っている唇を噛み締める。
先約があると言ったら
何時でもいいから来てと言われた。
朝までいるからと指定された場所はクラブ。
打ち合わせにクラブとか若いなぁと
ため息が出る。
もう一度、ブレスレットを見て気合いを入れた。
賑わってるそこで彼を探すのは困難だ。
彼を見つけたのは汗だくになってから。
私の顔を見るなり
キャスティングや脚本が気に入らないと言い出し
自分がセンターだからとやり直すように言われた。
もう事務所の許可が出ていると返しても
ダメ、俺が気に入らないと拉致が開かない。
もう一度考え直すからと解放されたのは
日付が変わっていた。
疲れた体をベッドに投げ出したら
そのまま眠ってしまったようだ。
河南、好きだよ。
また見た夢の相手がhydeじゃなくて
彼だったことに飛び起きたら明け方だった。
シャワーを浴びても夢が脳裏に貼り付いてる。
自宅にいる?
そうLINEを打つ事もなく
hydeの自宅のインターホンを鳴らした。
昨日顔を見たばかりなのに
無性に会いたくなって
まだまばらにしか人が活動していない時間。
まだ寝ているだろうhydeの自宅。
低い声がインターホン越しに聞こえる。
hyde、私。
そう伝えてカメラを見るとロックが開いた。
もう一度、
部屋の前の玄関でインターホンを鳴らす。
どうした?
hydeの声を聞いて
hydeの顔を見て抱きついてしまった。
おっと
受け止めてくれて頭を撫でてくれる。
「充電させて」
やっぱり夢に出てくるのはhydeがいい。
hydeじゃなくちゃ嫌だ。