new world(yukihiro)
更に月日は立ち
成人式を祝ってからまた会うことはなくなったが
大学を卒業する時に連絡があった。
そして大学院へと進み
司法修習生になった。
その都度、例の寿司屋で食事をした。
二年に一度の再会。
大将も年を重ねた。
弁護士になってからは
知らない人は信用出来ないと
恋人を作る気がない河南。
親父としての俺の気を知らないで
恋人は作らないのかと聞けば
人のことよりもと急かされるのは俺。
一時は河南との結婚もありかと考えたが
やはり幼い頃から知っているせいか
大人の仕草や表情に驚かされるけど
抱きたいとかそういう気持ちにはならなかった。
さすがに河南の気持ちは聞けないけど
俺との事をもし考えていたとしたら・・・
俺が急かされるくらいだそれはないだろう。
やはり父親とか代理とかで終わりだろうなと
寂しさも込み上げる。
河南と過ごし初めて14年。
俺ももう50歳。
生涯独身でもいいかなと考えていた40代も
河南と過ごして
例えば俺にも万が一のことがあったら
また河南は一人で俺を看取るのか。
そう思ったらもう河南には涙を流させることは
してはならないと切に感じている。
だけどな
俺もなかなか次のスタートが切れないでいる。
河南が初めてプレゼントしてくれた
スティックケースを見るたびに色々考える。
『yukihiroさん、彼女いるんでしょ?』
それは河南が28歳の誕生日。
二年に一度の再会なら20代最後の食事だからと
呼び出された。
二年前の弁護士になったあの日
指輪増えてたよね、右の薬指。
私のこととか少しでも考えてるなら
もう止めてと言われた。
『大人になったよ』
そうした会話が何だか苛ついた。
結婚ってなんだよ。
河南にとったらいい印象はないだろうが
俺にもいい印象はない。
50歳にもなって彼女とか恋人とかそんな歳か?
俺の誕生日には河南はいない。
いつも友達と約束とか
仕事の都合とか言って断られる。
だけど河南の誕生日を俺は祝う。
強制的に呼び出されるこうやって。
俺は河南を連れて自宅に帰った。
河南がいた時と変わらない部屋。
河南が使ってた部屋はそのままにしていたら
彼女に言われた。
だから客間だと誤魔化していた。
俺は彼女を呼んだ。
すぐに鳴るインターホンもうざったい程
やきもきしていた。
俺の部屋で顔を合わせる河南と彼女。
呆然と立ち尽くす彼女の姿がそこにあった。
成人式を祝ってからまた会うことはなくなったが
大学を卒業する時に連絡があった。
そして大学院へと進み
司法修習生になった。
その都度、例の寿司屋で食事をした。
二年に一度の再会。
大将も年を重ねた。
弁護士になってからは
知らない人は信用出来ないと
恋人を作る気がない河南。
親父としての俺の気を知らないで
恋人は作らないのかと聞けば
人のことよりもと急かされるのは俺。
一時は河南との結婚もありかと考えたが
やはり幼い頃から知っているせいか
大人の仕草や表情に驚かされるけど
抱きたいとかそういう気持ちにはならなかった。
さすがに河南の気持ちは聞けないけど
俺との事をもし考えていたとしたら・・・
俺が急かされるくらいだそれはないだろう。
やはり父親とか代理とかで終わりだろうなと
寂しさも込み上げる。
河南と過ごし初めて14年。
俺ももう50歳。
生涯独身でもいいかなと考えていた40代も
河南と過ごして
例えば俺にも万が一のことがあったら
また河南は一人で俺を看取るのか。
そう思ったらもう河南には涙を流させることは
してはならないと切に感じている。
だけどな
俺もなかなか次のスタートが切れないでいる。
河南が初めてプレゼントしてくれた
スティックケースを見るたびに色々考える。
『yukihiroさん、彼女いるんでしょ?』
それは河南が28歳の誕生日。
二年に一度の再会なら20代最後の食事だからと
呼び出された。
二年前の弁護士になったあの日
指輪増えてたよね、右の薬指。
私のこととか少しでも考えてるなら
もう止めてと言われた。
『大人になったよ』
そうした会話が何だか苛ついた。
結婚ってなんだよ。
河南にとったらいい印象はないだろうが
俺にもいい印象はない。
50歳にもなって彼女とか恋人とかそんな歳か?
俺の誕生日には河南はいない。
いつも友達と約束とか
仕事の都合とか言って断られる。
だけど河南の誕生日を俺は祝う。
強制的に呼び出されるこうやって。
俺は河南を連れて自宅に帰った。
河南がいた時と変わらない部屋。
河南が使ってた部屋はそのままにしていたら
彼女に言われた。
だから客間だと誤魔化していた。
俺は彼女を呼んだ。
すぐに鳴るインターホンもうざったい程
やきもきしていた。
俺の部屋で顔を合わせる河南と彼女。
呆然と立ち尽くす彼女の姿がそこにあった。