new world(yukihiro)
河南は弁護士を目指すと言って受けた大学に合格した。
大学に入学して一人暮らしを始めた。
最初からの約束。
あれ?
俺、寂しい・・・
これがぽっかり空いた穴なのか。
何だかな。
一心不乱にドラムを叩くしか選択はなく
時間だけが無情に過ぎていく。
課題だらけの河南からも連絡はない。
お互いに遠慮してる様が目に見えている。
会えない距離ではない。
むしろ近い距離にいる。
だからか?
そんなことばかりを考えると
それは必然的に河南から連絡が入る。
「食事?」
『うん、記念に一緒に祝ってほしい』
何の記念だ?
誕生日でもないしな。
しばらく頭を抱えた俺を察して河南が口を開く。
『成人式だから』
言葉を失ったのは俺だ。
河南が一人暮らしを始めて二年か・・・
早いな。
胸が締め付けられるのは何故だ。
終わるから・・・か。
俺の役目、終わりだな。
成人になるまでが約束だった。
だけど先に気づくべきだった。
成人式だと。
保護者失格だな。
約束の日、外で食事をしようと行った俺に対して
自宅でいいと
最後まで首を縦に振らなかった河南だったが
例の寿司屋を提案したら
だったら行くとすんなり受け入れられた。
二年ぶり。
最後に来たのは河南が高校を卒業する時だった。
あの時は珍しく河南が行きたいと言った。
河南はここの鮪を気に入っているらしく
最初と最後に食べる。
大将もそれを分かってくれていて
小娘相手に笑顔で接してくれる。
河南がおもむろに出してきた。
『これ』
プレゼント?
「俺に?」
頷くだけの河南と
ラッピングをほどく俺。
「お前これ」
『アルバイトしたの、夏休みに』
法律事務所で勉強させてもらいながら
アルバイトをしたと報告してくれた。
やっぱり最初のお給料だから
何かプレゼントしたくてと微笑む河南は
俺の知らない大人の顔をしていた。
嫉妬する、俺が知らない二年があることに。
大学に入学して一人暮らしを始めた。
最初からの約束。
あれ?
俺、寂しい・・・
これがぽっかり空いた穴なのか。
何だかな。
一心不乱にドラムを叩くしか選択はなく
時間だけが無情に過ぎていく。
課題だらけの河南からも連絡はない。
お互いに遠慮してる様が目に見えている。
会えない距離ではない。
むしろ近い距離にいる。
だからか?
そんなことばかりを考えると
それは必然的に河南から連絡が入る。
「食事?」
『うん、記念に一緒に祝ってほしい』
何の記念だ?
誕生日でもないしな。
しばらく頭を抱えた俺を察して河南が口を開く。
『成人式だから』
言葉を失ったのは俺だ。
河南が一人暮らしを始めて二年か・・・
早いな。
胸が締め付けられるのは何故だ。
終わるから・・・か。
俺の役目、終わりだな。
成人になるまでが約束だった。
だけど先に気づくべきだった。
成人式だと。
保護者失格だな。
約束の日、外で食事をしようと行った俺に対して
自宅でいいと
最後まで首を縦に振らなかった河南だったが
例の寿司屋を提案したら
だったら行くとすんなり受け入れられた。
二年ぶり。
最後に来たのは河南が高校を卒業する時だった。
あの時は珍しく河南が行きたいと言った。
河南はここの鮪を気に入っているらしく
最初と最後に食べる。
大将もそれを分かってくれていて
小娘相手に笑顔で接してくれる。
河南がおもむろに出してきた。
『これ』
プレゼント?
「俺に?」
頷くだけの河南と
ラッピングをほどく俺。
「お前これ」
『アルバイトしたの、夏休みに』
法律事務所で勉強させてもらいながら
アルバイトをしたと報告してくれた。
やっぱり最初のお給料だから
何かプレゼントしたくてと微笑む河南は
俺の知らない大人の顔をしていた。
嫉妬する、俺が知らない二年があることに。