new world(yukihiro)

それはすぐ
事務所から電話が掛かって来た。

今週の週刊誌に載るらしいですと
マネージャーからの電話。

噂のセンテンススプリング。

送られて来た原稿にはきっちりとした写真はない。

別に悪いことしてる訳じゃないし
週刊誌に載ったところで俺は何も変わらない。

だけど河南がな。

色々と隠されてるけど河南だとバレない証拠もない。

一応、抑えとくか。

そうして週刊誌に載ったのは
俺と河南の記事じゃなくて
Kenちゃんの記事だった。

ラルクのKen
再婚していた。

・・・Kenちゃんごめん。

連絡したら笑っていた。

子供産まれたんやわ、もうバツはなしやなって。

感謝しかない。

母親が売ったんだろう。

幾らだったのか気になるけどな。

まあいいや、金が入ったんだ
しばらくは静かだろう。

相手は河南の母親。

言わないのはどうか・・・

俺は言うことを決心して河南の部屋をノックした。

『迷惑かけてごめんなさい』

今にも泣きそうな顔。

「気にするな」

河南が来てからこんな会話は何度目だろう。

「お前のその言葉はもう聞かないからな」

俺は迷惑かけられてるって思ってない。

だから気にするなとももう言わない。

笑う河南が俺は愛しい。
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