new world(yukihiro)
河南が車のドアを開けたのは
しばらくしてから。
河南バイバーイと聞こえる。
『遅くなってごめん』
「今日くらいは許す」
すると一輪の花が俺の目の前に差し出された。
『ありがとうございました』
感謝のしるしみたいなやつだろう。
「うん、感謝しろよ」
受け取るとそれは折り紙で出来ていた。
「器用なんだな」
『髪の毛、切っちゃったの?』
心配そうな顔。
俺の髪型を見て
私の卒業式のためだよね、切ったのと
下を向くから頭を撫でてやった。
「長いの飽きたしな」
噛み合っているのか
噛み合っていないのか
単語だけの会話が俺とお前。
「卒業祝いに飯、食ってくか?」
俺らしくない言葉に河南は
首を横に振った。
『うちでいい』
それは俺への河南の気遣い。
無音な車内の空気に笑みが漏れる。
河南が出してきたのはビーフシチューだった。
キッチンへ入っても鍋にも目をくれない俺。
そう言えば昨日から何やらしてたなと思い出す。
今日は朝から活動して腹が減った。
普段は滅多にない昼の時間を河南と過ごした。
そして河南は新しい制服を身に付け
高校へと進学して行った。
変わらない日常に戻る
河南と過ごすようになってから三年目の春。
変わったのは河南の容姿だ。
あの幼いくせに大人びた笑わない奴だったのが
今は柔らかい笑顔を見せながら
女性へと変化しつつある。
こうやって成長を見守るんだな、親は。
しばらくしてから。
河南バイバーイと聞こえる。
『遅くなってごめん』
「今日くらいは許す」
すると一輪の花が俺の目の前に差し出された。
『ありがとうございました』
感謝のしるしみたいなやつだろう。
「うん、感謝しろよ」
受け取るとそれは折り紙で出来ていた。
「器用なんだな」
『髪の毛、切っちゃったの?』
心配そうな顔。
俺の髪型を見て
私の卒業式のためだよね、切ったのと
下を向くから頭を撫でてやった。
「長いの飽きたしな」
噛み合っているのか
噛み合っていないのか
単語だけの会話が俺とお前。
「卒業祝いに飯、食ってくか?」
俺らしくない言葉に河南は
首を横に振った。
『うちでいい』
それは俺への河南の気遣い。
無音な車内の空気に笑みが漏れる。
河南が出してきたのはビーフシチューだった。
キッチンへ入っても鍋にも目をくれない俺。
そう言えば昨日から何やらしてたなと思い出す。
今日は朝から活動して腹が減った。
普段は滅多にない昼の時間を河南と過ごした。
そして河南は新しい制服を身に付け
高校へと進学して行った。
変わらない日常に戻る
河南と過ごすようになってから三年目の春。
変わったのは河南の容姿だ。
あの幼いくせに大人びた笑わない奴だったのが
今は柔らかい笑顔を見せながら
女性へと変化しつつある。
こうやって成長を見守るんだな、親は。