new world(yukihiro)
そうしながら二人で暮らし初めて一年が経った。
二人で墓参りを済ませた後
いつものようにスーパーで買い物をして
河南の手料理をと思っていたけど
この一年
河南は家と学校を往復するだけの日々で
別にどこにも行きたがらないし
学校特有の長期休みも
図書館に行くくらいだったのを知っている俺は
せっかく二人で外出するのだからと
事前にマネージャーに予約してもらった
寿司屋に連れて行った。
『本当に入っていいの?』
うなずくだけの俺を横目に
河南が緊張しているのが分かる。
カウンターの隅
大将おまかせで握って貰った。
河南の年齢を知ってか知らずか
大将が河南に手取り足取り教えてくれて
笑顔の中、河南も楽しそうに食事を終えられた。
今日も人に感謝する。
スタッフやメンバーも勿論だけど
行きずりに出会い
口下手な俺をフォローしてくれるような
そんな人に出会うと自然に感謝出来る。
俺も年を重ねているのだと
丸くなったなと考えさせられる。
『ごちそうさまでした』
店を出ると河南が俺に頭を下げた。
黙って頭を撫でる。
笑顔になる河南。
何故か幸せだと感じた。
家族ってこんな感じ?
俺にだって家族はいる。
親父にお袋・・・
だけど何だろう、長く離れているせいか
今こうして河南と家族をしているのが
幸せだと胸が熱くなった。
・・・悪くない
にやける口元を手の平で隠した。
あいつもこうして河南と接してきたのだろうか。
嫉妬する。
あいつの後釜だってことも
こんな風に家族が出来るってことも
河南だからなのか
きっと河南みたいに気遣い出来る子だからこそ
家族になることが出来るのかもしれない。
ごっこだと言われればそれまでだけど
俺は割りと気に入っている。
そしてまた河南は
学校と家を行き来する生活に戻った。
そしてそんな河南を見て
俺は新たな疑問を持った。
河南は友達と呼べる奴らがいるのかと。
別に小遣いだってやってないわけじゃない。
カラオケとか行くんだろ、今の学生ってのは。
河南だって行けばいいじゃないか。
そう思ってしまうと俺も
人の親として娘の行動が気になるものだ。
いや、そう格好つけた言い訳を立てて
河南のテリトリーに侵入したくなった。
二人で墓参りを済ませた後
いつものようにスーパーで買い物をして
河南の手料理をと思っていたけど
この一年
河南は家と学校を往復するだけの日々で
別にどこにも行きたがらないし
学校特有の長期休みも
図書館に行くくらいだったのを知っている俺は
せっかく二人で外出するのだからと
事前にマネージャーに予約してもらった
寿司屋に連れて行った。
『本当に入っていいの?』
うなずくだけの俺を横目に
河南が緊張しているのが分かる。
カウンターの隅
大将おまかせで握って貰った。
河南の年齢を知ってか知らずか
大将が河南に手取り足取り教えてくれて
笑顔の中、河南も楽しそうに食事を終えられた。
今日も人に感謝する。
スタッフやメンバーも勿論だけど
行きずりに出会い
口下手な俺をフォローしてくれるような
そんな人に出会うと自然に感謝出来る。
俺も年を重ねているのだと
丸くなったなと考えさせられる。
『ごちそうさまでした』
店を出ると河南が俺に頭を下げた。
黙って頭を撫でる。
笑顔になる河南。
何故か幸せだと感じた。
家族ってこんな感じ?
俺にだって家族はいる。
親父にお袋・・・
だけど何だろう、長く離れているせいか
今こうして河南と家族をしているのが
幸せだと胸が熱くなった。
・・・悪くない
にやける口元を手の平で隠した。
あいつもこうして河南と接してきたのだろうか。
嫉妬する。
あいつの後釜だってことも
こんな風に家族が出来るってことも
河南だからなのか
きっと河南みたいに気遣い出来る子だからこそ
家族になることが出来るのかもしれない。
ごっこだと言われればそれまでだけど
俺は割りと気に入っている。
そしてまた河南は
学校と家を行き来する生活に戻った。
そしてそんな河南を見て
俺は新たな疑問を持った。
河南は友達と呼べる奴らがいるのかと。
別に小遣いだってやってないわけじゃない。
カラオケとか行くんだろ、今の学生ってのは。
河南だって行けばいいじゃないか。
そう思ってしまうと俺も
人の親として娘の行動が気になるものだ。
いや、そう格好つけた言い訳を立てて
河南のテリトリーに侵入したくなった。