new world(yukihiro)
家に帰ると風呂上がりの河南と鉢合わせした。
『おかえり・・・なさい』
手にはシャンプーの入った籠。
籠の中には粘着テープ。
髪の毛を掃除したのだろうか。
そんなことを思うと俺は腹が立って
河南の手から籠を奪った。
「来い!」
風呂場に戻ると河南のシャンプーとリンスを
俺の隣に置いた。
ボディタオルも。
荒々しく籠を河南に渡すと
河南の部屋に押し入る。
靴も玄関に投げる。
カップもカラトリーもキッチンへ置いた。
「ここはお前の家なんだよ!」
遠慮も気遣いもいらない。
自分の家でいいじゃんか。
俺が許可したのに俺が息詰まるんだよ。
「ガキのくせに!」
明日からはここでテレビでも見るんだな。
『でも・・・』
「口答えするな!」
次の日から河南との生活がまた一変した。
河南はリビングにいることが多くなった。
ある日、帰宅するとバターのいい匂い。
「うまそうだな」
河南が口にしようとしていたのはオムライスだ。
『食べ・・・る?』
「あぁ」
キッチンに立つ河南の後ろ姿は
ガキには見えなかった。
目の前には作ったばかりのオムライス。
「うまいな」
半信半疑で口にしたそれは
想像を越えていた。
それから俺は自宅にいる時間がある時は
河南の作る食事をした。
そして河南と話す時間が増えて
河南が笑う回数も増えた。
俺にも余裕が出来たのは事実だ。
『おかえり・・・なさい』
手にはシャンプーの入った籠。
籠の中には粘着テープ。
髪の毛を掃除したのだろうか。
そんなことを思うと俺は腹が立って
河南の手から籠を奪った。
「来い!」
風呂場に戻ると河南のシャンプーとリンスを
俺の隣に置いた。
ボディタオルも。
荒々しく籠を河南に渡すと
河南の部屋に押し入る。
靴も玄関に投げる。
カップもカラトリーもキッチンへ置いた。
「ここはお前の家なんだよ!」
遠慮も気遣いもいらない。
自分の家でいいじゃんか。
俺が許可したのに俺が息詰まるんだよ。
「ガキのくせに!」
明日からはここでテレビでも見るんだな。
『でも・・・』
「口答えするな!」
次の日から河南との生活がまた一変した。
河南はリビングにいることが多くなった。
ある日、帰宅するとバターのいい匂い。
「うまそうだな」
河南が口にしようとしていたのはオムライスだ。
『食べ・・・る?』
「あぁ」
キッチンに立つ河南の後ろ姿は
ガキには見えなかった。
目の前には作ったばかりのオムライス。
「うまいな」
半信半疑で口にしたそれは
想像を越えていた。
それから俺は自宅にいる時間がある時は
河南の作る食事をした。
そして河南と話す時間が増えて
河南が笑う回数も増えた。
俺にも余裕が出来たのは事実だ。