Caress of Venus(hyde)
河南、好きだよ。
目覚ましが鳴る。
重たい頭と重たい瞼を上げる
昨日、飲み過ぎたかな。
いつもそう、飲み過ぎると見る夢。
忘れたことがない。
あれはhydeだ。
高校の先輩だった。
私が一年でhydeが三年。
友達が格好いい先輩がいるって騒いでて
その先輩を追って
同じ部活のマネージャーになった友達。
友達を通じて仲良くなった。
可愛い後輩として側にいた。
河南、好きだよ。
そう言われて付き合った。
なのにhydeは
卒業間近で
アニメクリエイターを目指して中退してしまった。
しばらくは連絡を取り合ったが
ある日ぱたりと音信不通になった。
よく言えば自然消滅
悪く言えば振られた。
青春だったからだろうか
深酔いした時には必ず夢に出てくる。
夢に出て来なくても
今やhydeはどこにいても見られる存在なのに。
アニメクリエイター?
嘘つき。
歌しかしてないじゃん。
hydeよりもっといい男の夢が見たかった。
ムカつく。
機嫌悪く出社する。
まーた、飲みました?とひょっこり登場する
この後輩、hydeの熱狂的なファン。
だから細かな詳細は言えないけど
深酒して夢を見て機嫌が悪くなるのは知ってる。
こいつのディスクは見たくない。
あー!余計ムカつく。
でもこの後輩には罪がなく
仕事も出来るし気が利くし可愛がっている。
昨日はhydeのライブに行ったようで
またグッズが増えていた。
かっこよかったとキャーキャーしているのがまた
二日酔いを悪化させる。
ため息と同時に鳴瀬ちょっとと手招きされる。
ここはアプリを作る会社。
私が所属しているのはゲーム課。
今ヒットさせてるのは
様々な芸能人とタイアップして
擬似恋愛をするというアプリ。
他の課と違って室内も人間も
色々な意味で華やかな課だ。
そして今、目の前で上司に言われた。
次のタイアップ芸能人はhydeだと。
最悪のタイミングで足元が真っ暗になって
東京タワーから落とされた気分だ。
確実に死ぬな。
さっきのため息よりも更に
東京湾よりも大きなため息が出る。
東京タワーから落ちて東京湾に沈められた。
さようなら、私。
みんなを集めて
企画の資料作りを始めなくてはならない。
さて、この後輩の騒ぐ顔に堪えられるか否か。
そして会議室が悲鳴と歓喜の声に包まれた。
私には重たいのに。
hyde本人に会うのは当分先だけど
企画作りから私の脳内にいるあいつの姿に
飲んでないのに二日酔いが続く。
持ち帰りの仕事も多くなった。
相手がhydeだから?
タイアップが決まれば忙しくなるけど
周りの気合いが違う。
数日で私の部屋は散らかり放題になって
いらなかったhydeの写真とか資料が増えて
居心地が悪くなった。
もしもhydeに会ったらどうなるのかな。
そんな事も考えてしまってまたhydeが
夢の中に出てきた。
いなくなれ!
怒り任せに枕を投げる。
そんな事を隠して涼しい顔をして出社
するはずが
朝から会社前の側溝の蓋に挟まって
ヒールが折れた。
同時に社内が慌ただしくなる。
hydeが来るらしい。
奴か、私の疫病神は。
お酒も入っていないのに見た夢は予知夢か。
折れたヒールを弁償させてやりたい。
と言ってももう20年以上も会っていない。
私と分かるわけもない。
あがいても仕方ない。
諦めて仕事モードに切り替えよう。
目覚ましが鳴る。
重たい頭と重たい瞼を上げる
昨日、飲み過ぎたかな。
いつもそう、飲み過ぎると見る夢。
忘れたことがない。
あれはhydeだ。
高校の先輩だった。
私が一年でhydeが三年。
友達が格好いい先輩がいるって騒いでて
その先輩を追って
同じ部活のマネージャーになった友達。
友達を通じて仲良くなった。
可愛い後輩として側にいた。
河南、好きだよ。
そう言われて付き合った。
なのにhydeは
卒業間近で
アニメクリエイターを目指して中退してしまった。
しばらくは連絡を取り合ったが
ある日ぱたりと音信不通になった。
よく言えば自然消滅
悪く言えば振られた。
青春だったからだろうか
深酔いした時には必ず夢に出てくる。
夢に出て来なくても
今やhydeはどこにいても見られる存在なのに。
アニメクリエイター?
嘘つき。
歌しかしてないじゃん。
hydeよりもっといい男の夢が見たかった。
ムカつく。
機嫌悪く出社する。
まーた、飲みました?とひょっこり登場する
この後輩、hydeの熱狂的なファン。
だから細かな詳細は言えないけど
深酒して夢を見て機嫌が悪くなるのは知ってる。
こいつのディスクは見たくない。
あー!余計ムカつく。
でもこの後輩には罪がなく
仕事も出来るし気が利くし可愛がっている。
昨日はhydeのライブに行ったようで
またグッズが増えていた。
かっこよかったとキャーキャーしているのがまた
二日酔いを悪化させる。
ため息と同時に鳴瀬ちょっとと手招きされる。
ここはアプリを作る会社。
私が所属しているのはゲーム課。
今ヒットさせてるのは
様々な芸能人とタイアップして
擬似恋愛をするというアプリ。
他の課と違って室内も人間も
色々な意味で華やかな課だ。
そして今、目の前で上司に言われた。
次のタイアップ芸能人はhydeだと。
最悪のタイミングで足元が真っ暗になって
東京タワーから落とされた気分だ。
確実に死ぬな。
さっきのため息よりも更に
東京湾よりも大きなため息が出る。
東京タワーから落ちて東京湾に沈められた。
さようなら、私。
みんなを集めて
企画の資料作りを始めなくてはならない。
さて、この後輩の騒ぐ顔に堪えられるか否か。
そして会議室が悲鳴と歓喜の声に包まれた。
私には重たいのに。
hyde本人に会うのは当分先だけど
企画作りから私の脳内にいるあいつの姿に
飲んでないのに二日酔いが続く。
持ち帰りの仕事も多くなった。
相手がhydeだから?
タイアップが決まれば忙しくなるけど
周りの気合いが違う。
数日で私の部屋は散らかり放題になって
いらなかったhydeの写真とか資料が増えて
居心地が悪くなった。
もしもhydeに会ったらどうなるのかな。
そんな事も考えてしまってまたhydeが
夢の中に出てきた。
いなくなれ!
怒り任せに枕を投げる。
そんな事を隠して涼しい顔をして出社
するはずが
朝から会社前の側溝の蓋に挟まって
ヒールが折れた。
同時に社内が慌ただしくなる。
hydeが来るらしい。
奴か、私の疫病神は。
お酒も入っていないのに見た夢は予知夢か。
折れたヒールを弁償させてやりたい。
と言ってももう20年以上も会っていない。
私と分かるわけもない。
あがいても仕方ない。
諦めて仕事モードに切り替えよう。