24時間キスしていいですか?(yukihiro)


-yukihiro side-

一週間ほど経つとスケジュールも楽になり
河南の怪我の痛みも最初よりは引いてきた。

あの日の夜は河南の熱が下がらなくて
心配で河南の部屋に上がり込んだ。

「迷惑かけてごめんなさい」

河南が口を開けばキスをして黙らせる。

『いいから』

眠るように促し
眠っている河南をずっと見つめていた。

いつの間にか眠ってしまったら
河南が起こしてくれて朝を迎えていた。

「おはようございます」

照れている河南のおでこに手をあてる。

『下がったみたいだね』
「はい」

小さく頷く仕草がまた俺の心をくすぐる。

コーヒーでも入れますねと
捻挫している足を引きずりながら歩くその姿が
可愛いのと、もどかしいのとで
河南を持ち上げた。

「歩けます」
『ダメ』

恥ずかしいのか俺の首に顔を埋める河南が
とても愛しい。

二人きりの時間を過ごしまた仕事に出掛ける。

ヤバイ・・・

幸せかもしれない。

それからは、このまま河南との時間が
二人きりの時間になればいいのにと
何度も思った。

普段は思うことのなかった感情が
心の中を汚染していく。

もう河南を守るに理由はいらない。
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