隣人(hyde)

色々なことが解決されて
俺達は晴れて夫婦になった。

時にはフェラーリとアルテガと
ドライブしたり
二人で飲むワインに下包みしたり
やっていることは今までと変わらない。

スローダンスのように出逢って
急速に掛けていく想いは止まらずに
虜になった。

セクシーだけじゃない
女としての器量を兼ね備えた彼女に
手玉に取られた時は
背筋が凍りそうなほどゾクゾクした。

河南がどこの誰であろうと
俺は生涯をかけて愛し抜く。

守り続ける。

地下から上がるエレベーターが
一階で開く。

両手にスーパーの荷物を持って
ヒールのかかとを鳴らしながら入って来た。

荷物を片方持ってやる。

空いた方で腕を組む。

「楽しみですね」

相変わらず敬語のままが新鮮で
誰にも見せたことない笑みで
河南と目を合わせる。

今日はオリオン座流星群が
見られるらしいと連絡したら
ホットワインにしましょうと返事が来た。

二人で同じ毛布にくるまって
肩を並べている。

「見ました?」
『見た?』

空一面に流れる流星群に
この幸せがずっと続きますようにと願う。

久しぶりのラルクのライブ。

楽屋に挨拶をしにきた河南に
目を奪われた人がいる。

俺はすかさず隣に立つ。

「駄目やで」

おっ!おう・・・

Kenちゃんが河南の胸元を見ながら
返事をする。

そんな俺の気持ちを知ってか知らずか
その妖艶さで見る者を
虜にしてしまう奥さんを紹介するのには
まだまだ警戒心は忘れられないのである。

ー完ー
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