ノイズ(yukihiro)

「降ろして」

『やだ』

「ユキが潰れちゃうよ」

『俺、男だよ』

笑うユキ。

本当はもう少しこうしていたい。

ユキの笑顔が癒してくれる。

そのままユキの部屋へ。

目眩で朦朧としている。

『こんな服はやく脱げよ』

笑ったかと思うと怒っている。

河南には似合わないと。

ラフにユキの服に着替えて
止まない目眩と私は
ユキに包まれて眠った。

土曜日の昼下がり。

今日はオフだから
ここにいてとyukihiroの腕の中。

『いいよね?』

耳元で発される。

恥ずかしくて頷く。

大好きな声がくすぐったい。

誰に言われるよりも嬉しい。

つかの間のこの幸せが
壊れないことを願う。

会社の帰り道。

電話を片手に夜道を歩く。

電話の向こうはユキ。

今日はスタジオでドラム録り。

なるべく会える時間を作りたいからと
早朝から取りかかったようだ。

もうすぐ行くから。

そう聞くと
あなたに会える喜びが込み上げてくる。

会話をしながら玄関をあける。

すると暗闇の中から
何かが動いた。

何?

『河南聞いてる?』

ユキの声は耳から離れてしまった。

「誰?」

恐る恐る電気を付けると
そこには彼の姿。

「何・・・してるの?」

《河南、俺・・・
お前じゃないと駄目なんだ》

お酒臭い。
酔ってる?
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