ノイズ(yukihiro)

もう脳内はyukihiroさんの笑顔で洗脳されている。

連絡先も知らないあなたに
会いたくても会えない。

もう嫌われてしまったかもしれない。

それでももう一度望みがあるならと
開店前のクラブに足を入れた。

まだ開店じゃないと言いかけた店員は
私の顔を見てyukihiroさんの連れだと思い
yukihiroさんはまだ来てないと言う。

「違うんです」

いつもyukihiroさんがしゃべっているその人に
連絡先を書いた紙を預けた。

渡しておくよと親切に対応してもらえた。

この紙切れが
私にとってこれからを決める一枚になるに違いない。

連絡が来なければ諦めるしかない。

どっちにしろ
彼との別れは決めている。

あれからどのくらい経っただろうか。

yukihiroさんからの連絡はない。

もうダメなのかな。

夢だったのかな。

待ちかねた返信は
1週間以上経っていた。

今から来られる?

場所の指定も
差出人もないそのメールが
yukihiroさんからだと直感する。

なるべく彼とも連絡を取らなかった日々は
yukihiroさんにときめいていた。
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