ノイズ(yukihiro)

yukihiroさんには気持ちを伝えていない。

私の勝手な片思い。

これっきりかもしれないと思うと切なすぎる。

「yukihiroさん・・・」

『ユキでいいって言ったでしょ?』

微笑む顔がまた私の胸を締め付ける。

こんな私に話しかけて
微笑んでくれた。

そんなあなたが好き。

『大丈夫だから』

さあドアを開けて
嘘つきになろう。

罪を認めて
悪女になるしかない。

振り向かなかった。

yukihiroさんの顔を見るのが怖くて・・・。

「何やってるの?」

私は笑顔で彼の肩を叩いた。

彼は驚いた顔を見せる。

《友達と来たんだけど》

知り尽くした彼の趣味。

ここはスーツ姿の彼には
合わないことなどお見通し。

「合わないんでしょ?」

私もそうだから一緒に帰ろうと促す。

早く出なくちゃ。

《河南は何してたの?》

「私も友達と来たんだけど合わないや」

彼への罪悪感と
yukihiroさんに想いをはせて
その夜は彼と過ごした。
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