MEMORIES(hyde)

晴れ渡る空。

子供たちに
ギターで歌を聞かせてくれるhydeさん。

それを聞きながら
ずっと空を見上げていた。

忘れよう。

hydeさんが帰国する日、
私はあの場所にいた。

もう何もない。

争いの跡もないお花畑。

花の王冠を作りながら
足音を聞いた。

この場所に来るのは
私とアゲハしかいない。

「ごめんね。
私、本当はhydeさんを思い出してたの」

だけどhydeさんには
忘れてほしいの。

だから私は彼が帰るまで
知らないふりをする。

だって私は罪を背負って
生きなければならないもの。

だからね、
アゲハお願い。

最後はアゲハが彼を見送って。

「アゲハ?」

返事のないアゲハを不思議に思って振り向いた。

そこにはhydeさんがいた

風が吹く。

なびく髪がうざったい。

『河南・・・』

私は微笑んだ。

「今日で本当にさよならだよ」

もうじき罪人に罰が下る。

hydeさんのおかげで
この村がどれだけ変わったか。

前のように
神経を尖らせなくても
今は足さえも
ゆっくりと伸ばせるようになった。

本当に感謝している。

だけど
私のことはもう忘れて
あなたは幸せになるべき。

この村ももう大丈夫だから。

ね。

涙は流さない。

近づくhydeさんとの距離。

「それ以上来ないで」

私はまた人を殺めた。

hydeさんとアゲハを
守りたい一心だったけど
理由はどうあれ
罪を犯してしまったのだから。

『違うんよ』

あの時撃ったのは
助けにきた軍隊。

河南じゃないと言われた。

私じゃないにしても
私は罪人。

『一緒に帰ろう』

「帰れない」

『もう離さない』

抱き締められた体を
力一杯離した。

「私は!汚いから・・・」

触らないで。
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