MEMORIES(hyde)

朝からアゲハの姿がなく
探していた。

アゲハなら朝方出ていった。

そう聞かされ手紙を渡された。

そこにはhydeさんに
告げ口をした自分を許してほしいと。

河南を取られたくなかったと書いてあった。

私はアゲハを探しに行くことに決めた。

一方で日本人スタッフが
慌てた様子で
私を訪ねてきた。

hydeさんが行方不明だと。

アゲハが出ていった後を
追うように向こうに行ったと
子供たちに聞いた。

どうしてhydeさんが
アゲハを追うの?

私は護身用の銃を持ち
二人の後を追った。

hydeさんとアゲハは
必ず私が守る。

キャンプから少し離れた所には
暗い路地裏。

争いの跡地がある。

そこは私が人を殺めた
あの場所。

うずくまるアゲハの後ろ姿を見つけた。

「アゲハ!」

駆け寄ると
横倒しになっているhydeさんの姿。

《河南!hydeが!》

どうして?

襲われそうになったアゲハをかばって
気絶したらしい。

とりあえず心臓は動いている。

私は持っていた飲み水を
口移しで飲ました。

目を開けたhydeさんに
安心を覚える。

『河南?』

「早く逃げないと」

《河南、私・・・》

アゲハが言いかけた瞬間
人影を感じた。

「アゲハ、hydeさんを連れて戻りなさい」

助けはすぐ後ろに来ている。

ここを出られれば
絶対に助かる。

《でも・・・》

「大丈夫、私はアゲハから離れたりしないわ」

隠し持ってきた銃を構えた。

「早く!」

向けられた銃口から
二人をかばった。

焼けるように熱い。


撃たれたんだ。

死ぬんだ。

だったら二人を守って死ぬしかない。

そしてまた人を殺めた。
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