MEMORIES(hyde)
翌日も早朝から撮影が始まった。
撮影のため
早朝の町へと繰り出してしまったメンバーやスタッフ。
夜中、早朝はもちろん
危険だからと忠告しておいたのに。
ここは平和な日本とは違う。
一歩、路地裏に入ろうものなら
平気で銃弾が霞める危険地帯。
その銃弾で命を失った人は数知れない。
《行くの?》
「あの人達に何かあったら大変なの」
アゲハが私の服の裾を引っ張るのをそっとほどき、
彼らの危険は
私が死ぬよりも大変なことなのだと言い聞かせて
慌てて後を追った。
声のする方に行ってみれば
案の定喧嘩に巻き込まれている。
女性スタッフを巡って
口論しているようだ。
ここはそういう場所。
生身の若い女性が犠牲になることも
もちろん日常的茶飯事。
その後に殺されることも
あってしまう。
何もかもに餓えている場所。
必死の通訳だって
ここでは役に立たない。
「待って」
間を割る。
「何がしたいの?」
相手に向かうには毅然としなくては
こっちがやられてしまう。
こんな修羅場なんか
もうどのくらいくぐってきただろう。
人を殺める覚悟でなくちゃ
まとめることなんか出来ない。
そうあの時みたいに。
「日本人だからって甘くみないで」
命を守るためになら
鬼にもなる。
銃口を向け威嚇する。
「死にたくないなら行きなさい」
唾を吐きかけ去って行く相手に
殺める必要がなくなって
私自信が安堵した。
『助かったよ。
ありがとう』
お礼を言うhydeさんを睨んだ。
拳銃を持つ手が震えている。
もうあの時のような気持ちにはなりたくない。
「早く終わらせて帰って下さい」
冷たく言い放つ
その時の私の頬には
静かに涙が流れていた。
撮影のため
早朝の町へと繰り出してしまったメンバーやスタッフ。
夜中、早朝はもちろん
危険だからと忠告しておいたのに。
ここは平和な日本とは違う。
一歩、路地裏に入ろうものなら
平気で銃弾が霞める危険地帯。
その銃弾で命を失った人は数知れない。
《行くの?》
「あの人達に何かあったら大変なの」
アゲハが私の服の裾を引っ張るのをそっとほどき、
彼らの危険は
私が死ぬよりも大変なことなのだと言い聞かせて
慌てて後を追った。
声のする方に行ってみれば
案の定喧嘩に巻き込まれている。
女性スタッフを巡って
口論しているようだ。
ここはそういう場所。
生身の若い女性が犠牲になることも
もちろん日常的茶飯事。
その後に殺されることも
あってしまう。
何もかもに餓えている場所。
必死の通訳だって
ここでは役に立たない。
「待って」
間を割る。
「何がしたいの?」
相手に向かうには毅然としなくては
こっちがやられてしまう。
こんな修羅場なんか
もうどのくらいくぐってきただろう。
人を殺める覚悟でなくちゃ
まとめることなんか出来ない。
そうあの時みたいに。
「日本人だからって甘くみないで」
命を守るためになら
鬼にもなる。
銃口を向け威嚇する。
「死にたくないなら行きなさい」
唾を吐きかけ去って行く相手に
殺める必要がなくなって
私自信が安堵した。
『助かったよ。
ありがとう』
お礼を言うhydeさんを睨んだ。
拳銃を持つ手が震えている。
もうあの時のような気持ちにはなりたくない。
「早く終わらせて帰って下さい」
冷たく言い放つ
その時の私の頬には
静かに涙が流れていた。