僕の彼女シリーズ(ALL)

久しぶりに店を訪れると
そこにはhydeとユッキーがいた。

何してるのかと突っ込まれたから
とっさに根回しやと嘘をつく。

だけど肝心の七瀬ちゃんがいなくて
河南ちゃんにこっそり聞いたら
豆の輸入に行っていて
しばらく帰らないと言われて
また寂しさを覚えた。

こうなる運命やったと
自分に言い聞かせる。

数日後、河南ちゃんから
七瀬ちゃんの帰り便の時間の連絡が来た。

暇だし迎えに行こうかな。

空港に着くとちょうど飛行機が到着したようで
運良くすぐに七瀬ちゃんを
見つけることが出来た。

俺を目の前にびっくりしている七瀬ちゃん。

「どうして?」
『河南ちゃんから聞いて暇やったし』

迎えに来たと素直に言えなかった。

恋人はいらないと思っていた。

七瀬ちゃんを妹みたいに思っていた。

だけどそれだけで迎えに来たとは
自分の気持ちが嘘になる。

好きな気持ちがあって
それを否定している自分との戦いもあった。

俺は黙ったまま七瀬ちゃんの頭を撫でると
車に案内した。

無言の車内が続く。

気付けば店の前で・・・。

「良ければコーヒー飲んで行きませんか?」

普段ならその言葉に乗るが
今日は自分との戦いの決着がつかなくて
気持ちが乗らない。

『今日は帰るわ』

荷物を渡すと俺はそのまま帰宅した。

悩んでも解決されることはなく
ラルクの打ち合わせの日
hydeから紙袋を渡された。

河南ちゃんから預かってきたという
その中身は挽いたコーヒーだった。

七瀬ちゃんからのお礼だと
hydeから聞かされて
変に心が傷んだ。
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