僕の彼女はラテ職人


最近、ソロ活動で忙しくしているhydeに
根回しする為に連絡を取ったら
河南ちゃんの店にいると言われて
訪れたパン屋。

裏口を開ける前から
パンの匂いが鼻をかすめ
ドアを開ければ
てっちゃん久しぶりとパンをこねている
河南ちゃんに会うのは久しぶりで
相変わらず笑顔が似合うと関心する。

『hydeおる？』

河南ちゃんに案内されて二階に上る。

最近どう？と話せば
まあまあやねとhydeとの会話が繋がる。

開店以来訪れていないパン屋が
増築されているなんて思いもせず
呆気に取られていると
コーヒーを持った河南ちゃんが来る。

hydeと俺にコーヒーを出してくれて
パンとチョコレートとコーラ。

コーラ？
河南ちゃんが飲むのかな。

するとユッキーが後ろから顔を出した。

『あれ？ユッキー久しぶりやん！』

まさかユッキーに会えるなんて
別の根回しが一件減るなと思えた。

『ユッキーもhydeに用なん？』

何も知らない俺がいた。

hydeは言ったらええやんと冷静で
ユッキーは言葉を濁す。

河南ちゃんが全部を説明してくれた後で
俺はただただ驚くばかり。

ユッキーの変化には
気付いていたつもりだったが
まさか相手がここにいるとは。

河南ちゃんを呼びに来た一人の女の子
ちょこんとして可愛らしい。

ついでだからと紹介されたら
ユッキーの彼女だった。

まあいいや
マスコミにだけは気を付けてやと
根回しが済んで帰宅しようと二階を出た。

そういえば
さっきのコーヒーうまかったなと思い
河南ちゃんにテイクアウト用をひとつ頼んだ。

紙袋の中にはパンとショコラも入っていて
河南ちゃんの気遣いに
昔から変わらへん
さすがhydeの女だと思い知らされる。

hydeもユッキーもラブラブやなと考えながら
運転しながらコーヒーを飲む。

やっぱり旨い。

だけど俺は今はいらんかな、恋人は。