僕の彼女シリーズ(ALL)

だいぶ冷え込んだ季節。

「さぶっ」

身震いをして
マフラーを巻き直した。

店の施錠をして
大通りに出る。

目の前に立つ影。

心臓が波打つように
高鳴っている。

『河南』

店を出て
必ずここを通るのを知っている日本人。

それは貴方しかいない。

『会いにきたんよ』

「嘘・・・」

やっぱり朝の姿は見間違えじゃなかったんだ。

「元気だった?」

驚くより
あの頃の笑顔になる。

変わらない貴方の笑顔が
やっぱり好き。

二人で歩く道も1年ぶり。

貴方の横顔も1年ぶり。

部屋に入るなり
hydeは河南を抱き締めた。

ぬくもりを与えられ
冷えた体から
気持ちだけが温まる。

『やり直そう』

もう一度、最初から。

そう言ってくれたhydeの目には
曇りもない
大きな目が潤んでいる。

わざわざそれを言いに
ロンドンまで来たの?

胸が熱くなるのが分かる。

「もう少しだけ待って」

今帰ってもhydeの隣には居られるけど
私のパン職人としての居場所がない。

それを伝えると
hydeが微笑んだ。

『信じてる。
必ず河南が帰ってくるって』

背伸びして唇を重ねる。

しっかり受け止めてくれる。

そんなhydeが大好きで
愛してる。
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