レーズンバター(hyde)

休日。
河南はhydeのスタジオにいた。

呼んでもいない彼女は
周りに目もくれずにhydeに取り入る。

そして冷たい視線を河南に浴びせた。

顔色を伺ってしまう癖のある河南は
それだけで怯んでしまう。

hydeが手招きして河南を呼んだ。

「こいつのこと分かる?」

彼女に河南のことを聞いた。

「誰よ」

明らかに不機嫌な彼女。

「お前がソファーからどかして珈琲を入れさせた子


hydeはそんな子知らないと言った彼女に更に続けた。

「親睦会の時にお前が謝れと言った子」

「だから何」

彼女は声を荒げた。

明らかに敵意をむき出しにして河南に言った。

「こんな地味な子」

hydeのため息。

出来上がっていた提供用の楽曲のデモと楽譜を彼女に渡す。

「用は済んだだろ」

hydeは目力の鋭い冷ややかな視線で彼女を見る。

「お前…いつから俺の彼女になったつもり?
俺の女はこいつだけだから」

座っているhydeが
立っている河南を引き寄せ腰を抱く。

エロチックなhydeの顔つきが河南の腰を撫で回しながら彼女を見た。

彼女は鼻で笑いながら出て行き
もう来ることはなかったが、
hydeの書いた曲は彼女の中で一番の売り上げを叩きだした。
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