レーズンバター(hyde)

そしてまた河南を抱きしめたままhydeも思い出していた。

最初に見た彼女は
正直、カクテルを飲まない様を見ていると男風でもあったが
男の目ばかりを気にして
似合わないことをしている女よりも自然な感じだった。

薄化粧と黒髪が印象的で
毎日ひとりでいる彼女に興味が湧いたのが始まり。

マスターと話したり
BGMに酔いしれたり
その行動を見ていると
自然な笑顔に何処か惹かれる部分があった。

涙を見せたあの時
お礼の気の使い方
自分を誰だか分かってからも変わらない態度が気に入っていた。

すれ違いばかりで
何度、自分の仕事を悔やんだか。

彼女だけを見つめていたつもりだったのに
あんな気持ちにさせてしまったことを後悔した。

それでもこうやって手に入れられたのを実感すると
やはり好きになって良かったと思っていた。
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