affanno
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突然兄からメールでこれから行くと一言書いてあったそういう時は大概何か面倒ごとがある時だと言う事を私は知っている。数刻後に兄が家に来ては何やら真剣な顔で一口目に
「わりぃこの家に一人居候させたい人が居るんだ」
「は?」
流石の私も言葉は出なかった。それはそうだろう兄が帰って来るわけでもなく、両親も居ないこの私だけの家に居候?流石に兄の言っている事が意味わからない。兄は手を合わせ下げていた頭を上げ
「実は…」
そういって小さな兄から語られる事は何やらいつの間にかFBIと仲良くなっていたらしい。それ程の事に頭を突っ込む彼にはもう呆れを通りこして諦めだ、何やら彼は赤井秀一さんという人で元組織にいた潜入捜査官で死んだことを偽装工作し沖矢昴としてアパートに住んでいたらしいがその家が燃え仕方なしに家にと言う事らしい。
ふむ、って流石にこれは簡単に納得できない。私だって仮にも女の子だ。
「え、流石にいやだよ、兄さんは知ってるかもしれないけど私からしたら知らない人だもん。」
「そこを何とかって実はもう父さんと母さんには了承貰ってんだ。」
「…外堀から埋めるなんて卑怯だ。それに拒否権ないじゃん。」
少し拗ねたような私の声色に苦笑する兄。はでも大丈夫悪い人じゃないからっと言ってじゃあまた後で連れてくるから。という言葉を残してそそくさと家を出て言った。
後でという言葉に急いで客間を掃除する羽目になったのは言うまでもない。
頼れとは行ったけどまさかこんな形だとは思わず掃除も終えどっと疲れたのでソファーにもたれ掛かっていた。
日が暮れそろそろ夜が顔を出す頃に兄は本当に男の人を引き連れやってきた。
「初めまして。沖矢昴といいます。」
「初めまして、工藤凪沙です。話は兄とコナン君に伺いました。両親も了承済みという事なので私からは特に何もありません。
私の部屋に入らないことと、洗濯物だけ別にやってくれれば特に問題ないので。」
「え、えぇ分かりました。宜しくお願いします。」
鍵はこちらですコトリとテーブルに置くと彼女は部屋に戻っていった。
「昴さん凪沙お姉ちゃんの事宜しくね。」
「あぁ彼女中学生にしては大人びていますね。」
「人見知りだし感情が表に出にくいだけだと思うよ?」
それじゃあボクも帰るよとソファから降りた彼に頷いた。坊やから色々話は聞いたのだろう。多少の警戒心もあるも一定の距離をもって接してくれるのはこちらとしてありがたい。
それに此処に住む条件としてこのお嬢さんの護衛もある。随分と大切にされているのだろうと思いその日は色々疲れもありいつの間にかそのままソファで寝てしまった。
何かいい匂いがして来たことで自然と目が覚めた。体を起こすとパサリという布の音に目を向けるとどうやら体にはタオルケットが掛けられていた様だった。匂いの元をたどるように目線を泳がせると朝食をとっていたであろう彼女と目が合うと一度手を止めこちらを振り返りおはようございます挨拶をし彼女は再び朝食に手を付け始めた。
「あ、あぁおはようございます。それにタオルケットもありがとうございます。」
「いえ、何やら事件があったそうで余程疲れていたんですね。」
「えぇまぁ」
それ以来会話は続かず偶に食器の音がなるごちそうさまと律儀に手を合わせ食器を持ちキッチンへ消えた彼女、俺はテーブルにある今日の朝刊に手を伸ばした。
水の流れる音と共に食器のぶつかる音何て平和で穏やかだとふっと笑みが零れた。
彼女が近づく気配と共にテーブルにコトリと物が置かれた音で顔を上げるとそこにはコーヒーが置いてあった。
「あぁすまない」
「いえ、一応ご飯作ったのでもしお腹が空いてたら食べてどうぞ」
それだけ言ってこちらの返事も聞かずにソファー下に立てかけていた鞄を手に取ると出て言った彼女。随分と出来たお嬢さんだと舌を巻く。
ダイニングテーブルに目を馳せるとそこにはラップに掛けられたご飯がある、どうやら和食の様だ質素だが色どりもしっかりしていた。
久々に誰かの料理を食べる事に少し口角が上がった。
結論だけ言おう彼女の作る料理は美味しかった。