affanno
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あれから数日お久しぶりに兄から今日我が家に来ると珍しく連絡を貰ったと言っても兄は定期的にアポなしに実家を訪れる。篭ってホームズの本を読んだり私の作ったお菓子を食べに来たり。
けど態々連絡をして来たと言う事は私に用事があると言う事恐らく彼は哀さんと接触して大方の事を彼女や博士から聞いたと言う所だろうか。
連絡が来てからそこまで時間も経たないうちに鍵が開く音と扉の開く音少しして乱暴に扉を開けリビングに兄が入って来た。その表情はコナン君ではなく兄新一だった。
ずんずんと私より子供の体でこちらへ歩み寄る彼を無言で見つめた。
私の前まで来た彼は足を止めたその顔は私からは見えず丁度お菓子作りを終え片付けをしていた手を止めて簡単に手を洗い終えると目線を合わせる為にしゃがんだ。
その瞳の奥はどこか悔しそうな悲しそうなそれでいて苛立ちを隠さない顔をしていた。
「に、「何で俺に言わなかった!もし何かあったらどうすんだよ!!小さくなったって俺はお前の兄だ!お前まで首を突っ込まなくていいんだっ」
私の言葉を遮り一歩的に兄が怒鳴る様に紡がれた言葉に少しムカッとした。
心配してくれてるのは分かるでもそれは私も同じなのだ兄は自分の事を顧みないそんな彼が私は大嫌いだ。
「兄さんが心配するのは分かるよ、でも私も同じくらい兄さんが心配。やっと私の気持ち分かった?なんでもっと自分を大事にしてくれないの?私は兄さんを危険に晒したくなかったから行動しただけ。大事な家族を守りたいと思うのは兄さんだけじゃない。いつもいつも後先考えないで行動するから今回の事だってそう。あの時蘭さんと帰っていればこんなことにならなかったのに。生きていた良かったものを本当は殺されてたんでしょ?いい加減にしてよ!!何で一人で背負おうとするの少しは分けてよ!兄さんみたいに推理は出来ないけど少しは力になれるでしょ?家族でしょ?頼ってよ…」
つい感情的になってしまい声を荒げてしまったと同時に頬に涙が伝っていくのがわかった。あぁもう何か最近は泣いてばかりだ、一方彼は珍しく怒りを露にする妹の姿に目を見開いて此方を見ていた。その顔は何を考えているか分からなくて。
昔から無意識だけど感情が表に出にくい。それでも明るい母に推理に目のない父と兄はどうしてか私の感情をすぐ分かってくれていた。
反対に兄は昔から行動力があってよく蘭さんを怒らせたり、泣かせたり
しては感情も分かりやすいくらい揺れ動いていた。
だから兄が感情豊かな分私は冷静に物事を見てきた。それが私に出来る事だったから。
「…悪かったよ、でも俺はお前には笑ってて欲しいだ。これは俺の事件だ俺を心配して残ってくれたのも知ってる、けどいつも通りお菓子作ってたまにお喋りしてくれるだけでいいんだ俺はそれに救われてんだ。
普段はコナンとして生きてるけど俺は新一だ、だから頼れる兄で居させてくれよ。」
小さくなってしまった兄の小さな手は私の頭を撫でるそれはいつも兄がしてくれるように優しくて暖かい。ずるいそんな事言われたらもう私は何も言えないじゃないか、分かっている。兄だって苦しいのだ新一としてほとんど誰にも打ち明ける事も出来ず小さな子供として振る舞わなければならない。だからここに来ればいつもの様に新一として過ごせるこの家は彼にとって大きな息抜きなのだ。
「新兄」
「ん?何だよ」
「お願いだからちゃんと帰ってきてね」
「おうっ今度からはちゃんと俺にも話してくれ」
昔の様に名前を呼べば優しい顔で首を傾げる彼の姿があざとくて少し笑みが零れるも次には唇をきゅっと引き締め真剣に伝えた。
同じく真剣な顔をしてくれた彼にん、と小指を出すと一度きょとんとするもすぐに理解したのかにやっと笑みを浮かべてから小指同士が絡み合う
約束と小さく呟く声を拾った彼はあぁと頷いて
「凪沙は笑ってる方が可愛いよ」
「そういう事は蘭さんに言って下さいな?お兄様?」
「っるせぇよ、それより今日は何作ったんだ?」
「今日はブラウニー」
時々キザな事を言う兄をからかう様に言い返すと顔をムスッとする彼に
思わず可愛いなぁと思うも切り替えの早い彼の目線はオーブンを見ていて丁度名前を言えば焼き終わった音が鳴る。
オーブンを開けると広がる甘い匂いに今日も上出来と自画自賛した。
冷ましている間に兄にはコーヒーを私には紅茶を用意していると丁度いい感じに熱が冷める。
先にテーブルに座って待っている兄の前にコトリとお皿を置くといただきますと手を合わせて食べ始めた。
「うんめぇ~」
「ん、当たり前これ袋詰めしたから毛利さん達に上げてね。」
「おうっありがとな蘭もおっちゃんも凪沙のお菓子楽しみにしてんだ。」
幸せそうに食べる兄に満足そうに頷き傍にラッピングした袋を置いた。
そういわれると私も作り甲斐がある。お菓子を食べるとみんな幸せな顔をするからお菓子作りはやめられない。
一通り満足してコーヒーも飲み終わればよっと椅子から飛び降りる兄。
たわいない話をしていればあっという間に時刻は夕食前になっていた。
見送りに玄関まで着いていく私に扉を開けた彼は振り返った。
「今度蘭の家に泊まりに来いよアイツも心配してるし何より喜ぶからよ」
「ん、直接声かけてもらったら行くよ、じゃあねコナン君」
「じゃあね凪沙お姉ちゃん!お菓子ありがとう!」
元気よく手を振る姿はどこからどう見ても小学生だ。
別れるときはあえてコナンを強調するそうすることで私も兄もメリハリを付けている。
リビングに戻ると2人分の食器に少しの寂しさあぁ今日は久々に母さんに電話しようと決め片付けを始めた。