永劫の間で(九尾銀時)
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その日、いつものように大木の根本でのんびりと昼寝をしていた銀時の耳が、大きくピクリと動いた。少し離れたところから聞こえてきたのは、草をかき分ける音。しかも聞き覚えのない足音を伴っている。
「獣の足音じゃねェな……どこかのチンケな妖怪が、俺の縄張りに紛れ込んできやがったか?」
一つ大きなあくびをして、面倒臭そうに呟いた銀時は、半分まぶたの落ちた眠そうな目で、音の聞こえる方向を見た。
するとそこに現れたのはーー。
「人間……だァ?」
驚きで、目を見開く。
妖怪ですら滅多に足を踏み入れないような山奥にたった一人。しかも未だ年若い女だというのだから、尚更驚きは大きかった。
「……どうやってこんなトコまで来たんだ? しかもお前、裸足じゃねェか。体も傷だらけみてェだしよォ」
よく見れば銀時の言う通り、擦り傷や切り傷を全身に帯びている。そのあまりの痛々しさに、銀時は眉をしかめた。
しかし当の本人はそんなことよりも、銀時の存在が気になるらしい。
「良かった……人がいた!」
と嬉しそうに叫んだかと思うと、勢いよく銀時に向かって駆け出した。
「は? ちょっ、おい、おま……え!?」
予想外の動きに慌てて立ち上がる銀時。
ところが、だ。
目測を誤ったのか次の瞬間、女はズザザ……っと銀時の横を転び滑った。
「……なァにやってんだお前。ほら、手ェ出せよ」
さすがに呆れた銀時が、ため息をつきながら手を差し出す。けれども女がその手を掴むことは無かった。
いや、正確には掴むことができなかった。
確かに銀時の言葉に応えて手を出してはいるのだが、その方向が見当外れなのだ。どうも様子がおかしいと思い、銀時が女の顔を覗き込んだ時。
「お前……妖気にアテられたな。何も見えてねェんだろ」
女は目を開いてはいたが、視力を完全に失っていた。
「獣の足音じゃねェな……どこかのチンケな妖怪が、俺の縄張りに紛れ込んできやがったか?」
一つ大きなあくびをして、面倒臭そうに呟いた銀時は、半分まぶたの落ちた眠そうな目で、音の聞こえる方向を見た。
するとそこに現れたのはーー。
「人間……だァ?」
驚きで、目を見開く。
妖怪ですら滅多に足を踏み入れないような山奥にたった一人。しかも未だ年若い女だというのだから、尚更驚きは大きかった。
「……どうやってこんなトコまで来たんだ? しかもお前、裸足じゃねェか。体も傷だらけみてェだしよォ」
よく見れば銀時の言う通り、擦り傷や切り傷を全身に帯びている。そのあまりの痛々しさに、銀時は眉をしかめた。
しかし当の本人はそんなことよりも、銀時の存在が気になるらしい。
「良かった……人がいた!」
と嬉しそうに叫んだかと思うと、勢いよく銀時に向かって駆け出した。
「は? ちょっ、おい、おま……え!?」
予想外の動きに慌てて立ち上がる銀時。
ところが、だ。
目測を誤ったのか次の瞬間、女はズザザ……っと銀時の横を転び滑った。
「……なァにやってんだお前。ほら、手ェ出せよ」
さすがに呆れた銀時が、ため息をつきながら手を差し出す。けれども女がその手を掴むことは無かった。
いや、正確には掴むことができなかった。
確かに銀時の言葉に応えて手を出してはいるのだが、その方向が見当外れなのだ。どうも様子がおかしいと思い、銀時が女の顔を覗き込んだ時。
「お前……妖気にアテられたな。何も見えてねェんだろ」
女は目を開いてはいたが、視力を完全に失っていた。