偽りを抱いて(銀時)
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「どうして……分かってくれないの?」
「何を、だよ」
勢いのままはだけさせた胸元を、指でなぞりながら訊く。ここにも俺を刻みつけてやろうと顔を近付けた俺に、詩織は言った。
「私と土方さんは、何でも無いよ」
思いもよらぬ言葉が、俺の動きを止める。
「だったら……何であの時、土方と一緒にいたんだよ。嬉しそうに腕まで組みやがってよォ」
「あれは腕を組んでたとかじゃなくて、買い物途中に怪我をしたから、椅子のある所まで支えてもらってたの! すぐ近くの甘味処に連れて行ってもらったんだけど、往来のど真ん中で派手に転んで足を捻ったせいでもう恥ずかしくて。嘘だと思うなら、店に聞いてみると良いわ」
「……マジか」
事の顛末を聞かされ、一気に血の気と力が抜けた。ヘナヘナと崩れ落ちるように、詩織の上へと倒れ込む。
「ちょっと銀さん、重いってば!」
苦しげにジタバタともがく詩織を押しつぶしたまま、俺はボソリと呟いた。
「バカみてェだな、俺」
あの時の俺は思い込みで絶望し、偽りの温もりで心を満たそうとしていたが、吉原では結局何も出来なかったのだ。酔った勢いで女に抱きついたところで、反応も無ければ心も虚しいばかりで。むしろどれだけ自分が詩織を求めているかを、抱いた偽りに教えられてしまっていた。
自らの行動が恥ずかしくなり、詩織の胸元に顔を埋めて隠す。それをどう受け止めたのか、詩織は俺の頭をそっと抱きしめた。
「そうだよ。大馬鹿だよ」
「……キッツいの」
「だってホントにバカなんだもん。でも……」
そう言った詩織の腕に、力が入る。何故かその腕は震えていた。
「何を、だよ」
勢いのままはだけさせた胸元を、指でなぞりながら訊く。ここにも俺を刻みつけてやろうと顔を近付けた俺に、詩織は言った。
「私と土方さんは、何でも無いよ」
思いもよらぬ言葉が、俺の動きを止める。
「だったら……何であの時、土方と一緒にいたんだよ。嬉しそうに腕まで組みやがってよォ」
「あれは腕を組んでたとかじゃなくて、買い物途中に怪我をしたから、椅子のある所まで支えてもらってたの! すぐ近くの甘味処に連れて行ってもらったんだけど、往来のど真ん中で派手に転んで足を捻ったせいでもう恥ずかしくて。嘘だと思うなら、店に聞いてみると良いわ」
「……マジか」
事の顛末を聞かされ、一気に血の気と力が抜けた。ヘナヘナと崩れ落ちるように、詩織の上へと倒れ込む。
「ちょっと銀さん、重いってば!」
苦しげにジタバタともがく詩織を押しつぶしたまま、俺はボソリと呟いた。
「バカみてェだな、俺」
あの時の俺は思い込みで絶望し、偽りの温もりで心を満たそうとしていたが、吉原では結局何も出来なかったのだ。酔った勢いで女に抱きついたところで、反応も無ければ心も虚しいばかりで。むしろどれだけ自分が詩織を求めているかを、抱いた偽りに教えられてしまっていた。
自らの行動が恥ずかしくなり、詩織の胸元に顔を埋めて隠す。それをどう受け止めたのか、詩織は俺の頭をそっと抱きしめた。
「そうだよ。大馬鹿だよ」
「……キッツいの」
「だってホントにバカなんだもん。でも……」
そう言った詩織の腕に、力が入る。何故かその腕は震えていた。
