偽りを抱いて(銀時)
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男ってのは、本当に大切なモンには臆病になっちまうらしい。
いつだってお前を求めていながら、それをおくびにも出さず。今の関係を壊さずにいることだけを考えて、今日までやって来てた。
それなのにお前ときたら、俺の気持ちなんぞ露知らず。今だって通りの向こうを、土方と並んで歩いてやがる。
しかも、だ。
ほんのりと頬を染めて、土方と腕を組んでるってんだからいただけねェ。
「……くそッ」
苛立ちを隠せぬまま、俺は踵を返した。
目指すは色街、吉原。
ーー耐えられなかった。
ーー悔しかった。
土方が憎くて……羨ましかった。
「アイツらいつの間に……」
俺のボヤキは、誰の耳にも届いてはいない。
吉原に着き、遊び人気取りで女を選ぶと、未だ日が高いにも関わらず、浴びるように酒を飲む。
女々しいと言われてもいい。ゲスな男と罵られてもいい。今はただ、全てを忘れてしまいたいから。
やがて、今までになくまずい酒に悪酔いした俺は、偽りを抱いて眠りに落ちた。
いつだってお前を求めていながら、それをおくびにも出さず。今の関係を壊さずにいることだけを考えて、今日までやって来てた。
それなのにお前ときたら、俺の気持ちなんぞ露知らず。今だって通りの向こうを、土方と並んで歩いてやがる。
しかも、だ。
ほんのりと頬を染めて、土方と腕を組んでるってんだからいただけねェ。
「……くそッ」
苛立ちを隠せぬまま、俺は踵を返した。
目指すは色街、吉原。
ーー耐えられなかった。
ーー悔しかった。
土方が憎くて……羨ましかった。
「アイツらいつの間に……」
俺のボヤキは、誰の耳にも届いてはいない。
吉原に着き、遊び人気取りで女を選ぶと、未だ日が高いにも関わらず、浴びるように酒を飲む。
女々しいと言われてもいい。ゲスな男と罵られてもいい。今はただ、全てを忘れてしまいたいから。
やがて、今までになくまずい酒に悪酔いした俺は、偽りを抱いて眠りに落ちた。
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