大人になったら(銀時)
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「なァ詩織。俺と付き合わねェ?」
突如銀時から言われた言葉に、私は面食らった。
「は? 何生意気なこと言ってんの」
反射的に私の口から出た言葉は、それ。
実際銀時は子供だった。松下村塾では、年長組の私より5つも年下の、弟のような存在。そんな彼に交際を迫られたのだ。驚かないわけがない。
でもまぁ丁度、小耳に挟んだ程度の恋愛知識を、ひけらかしたい年頃かもしれないな、と結論付けた私は言った。
「ガキに付き合いなんて未だ早い」
「ガキじゃねェよ! 下の毛だって生えてきてんだぜ。立派に大人だっつーの」
「そんなのを大人になった理由にしてる辺り、がっつり子供でしょうが。冗談言ってないで、さっさと宿題終わらせてよね。私が先生に叱られちゃうじゃない」
「冗談でこんな事言うかよ。俺は詩織を俺の女にしてェ。だから付き合え」
「俺の女って、どんだけ上から目線!?」
「……んじゃ、どう言やァ良いんだよ……」
即OKを出すとでも思ってたのだろうか。私の言葉に色良い物を感じられず、銀時の声は次第にトーンダウンしていく。
「どうしたらお前と付き合えるんだ?」
一言目を言ってきた時は、それはもうキラキラとした力強い眼差しだったのに。今はどうして、への字眉毛に潤んだ瞳。普段はとんでもないやんちゃな悪ガキだけれど、こういう時はとことん打たれ弱いことを、私は知っていた。
しかも私は、この銀時に弱かったりするわけで。
ーーそんなの不可能に決まってるでしょ。
そう言ってしまえるほど、私は冷酷にはなれなかった。
だから、よくあるお約束の答えを与える。
「銀時が私よりも大人になったら、付き合っても良いよ」
「マジでか!?」
叫び声とともに、表情が明るくなる銀時。「いよっしゃー! 見てろ、すぐに大人になってやるからな!」と拳を握りしめ、走り去る後ろ姿を見ながら思う。
「あれは言葉の意味を理解できてないな。私より大人になんて、どうやったってなれないってのに」
人間、何年経っても年齢は追い越せない。そんなことも気付けないほど喜んでいた銀時に、私は苦笑いをするしかない。
「愛すべきおバカさん、だよねぇ」
チクリと胸が痛むのを感じながら、私は小さく呟いた。
突如銀時から言われた言葉に、私は面食らった。
「は? 何生意気なこと言ってんの」
反射的に私の口から出た言葉は、それ。
実際銀時は子供だった。松下村塾では、年長組の私より5つも年下の、弟のような存在。そんな彼に交際を迫られたのだ。驚かないわけがない。
でもまぁ丁度、小耳に挟んだ程度の恋愛知識を、ひけらかしたい年頃かもしれないな、と結論付けた私は言った。
「ガキに付き合いなんて未だ早い」
「ガキじゃねェよ! 下の毛だって生えてきてんだぜ。立派に大人だっつーの」
「そんなのを大人になった理由にしてる辺り、がっつり子供でしょうが。冗談言ってないで、さっさと宿題終わらせてよね。私が先生に叱られちゃうじゃない」
「冗談でこんな事言うかよ。俺は詩織を俺の女にしてェ。だから付き合え」
「俺の女って、どんだけ上から目線!?」
「……んじゃ、どう言やァ良いんだよ……」
即OKを出すとでも思ってたのだろうか。私の言葉に色良い物を感じられず、銀時の声は次第にトーンダウンしていく。
「どうしたらお前と付き合えるんだ?」
一言目を言ってきた時は、それはもうキラキラとした力強い眼差しだったのに。今はどうして、への字眉毛に潤んだ瞳。普段はとんでもないやんちゃな悪ガキだけれど、こういう時はとことん打たれ弱いことを、私は知っていた。
しかも私は、この銀時に弱かったりするわけで。
ーーそんなの不可能に決まってるでしょ。
そう言ってしまえるほど、私は冷酷にはなれなかった。
だから、よくあるお約束の答えを与える。
「銀時が私よりも大人になったら、付き合っても良いよ」
「マジでか!?」
叫び声とともに、表情が明るくなる銀時。「いよっしゃー! 見てろ、すぐに大人になってやるからな!」と拳を握りしめ、走り去る後ろ姿を見ながら思う。
「あれは言葉の意味を理解できてないな。私より大人になんて、どうやったってなれないってのに」
人間、何年経っても年齢は追い越せない。そんなことも気付けないほど喜んでいた銀時に、私は苦笑いをするしかない。
「愛すべきおバカさん、だよねぇ」
チクリと胸が痛むのを感じながら、私は小さく呟いた。
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