想いを再生して(銀時)
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「もう! からかわないでよ!」
「良いじゃない。で、どうするの?」
そう言ってじっと私を見つめるお母さん。そこにどんな意味があるのかなんて、誰が見たって一目瞭然だ。
「お母さんってばやっぱり意地悪! でも……ありがと」
「はいはい」
いつもの優しい笑顔で私の頭を撫でてくれたお母さんは、「頑張んなさいよ」と言ってキッチンへと去っていく。
「……よし!」
気合を入れ、今度は私から電話することにした。せっかくの銀ちゃんの勇気を、無駄にしちゃいけないから。
ところが、私が部屋に戻ろうと踵を返した瞬間に、突然鳴り出す着信音。驚いて思わず触れてしまったのは、留守電の切り替えボタンだった。ピーッと録音開始音が鳴り、聞こえてきたのはーー。
『……こっちの電話より、お前の携帯にかけてェんだよ。いい加減我慢の限界だっつーの。だから……」
信じられないくらいに弱々しい声。
思わず息を呑んだ私は、咄嗟に受話器を上げて叫んだ。
「銀ちゃん!」
「声くらい聞かせ……って、詩織?」
「そうだよ! あのね、銀ちゃん、私……」
ーー私も銀ちゃんの声が聞きたかったんだよ。
そう伝えようとしたのに。
「やっぱさっきのは無し」
「え?」
いきなりの前言撤回に、言葉を失った。でもそれは決して悪い意味ではなく。
「声だけじゃ足りねェ。今すぐ会いに行くから待ってろ!」
「……うん!」
そう答えた時には未だ電話は繋がっていたのに、「いよッシャァァァッ」と遠のいて行く銀ちゃんの声。呆れて大きくため息を吐いてみても、銀ちゃんの喜びが伝わってきてニヤケが止まらない。
「ほんとにもう、銀ちゃんってば」
完全に銀ちゃんの声が聞こえなくなったのを確認した私は、受話器を置く。そして銀ちゃんの残した留守電が上書きされないよう設定しておいた。
「お母さん、私ちょっと出かけてくるね!」
一旦部屋に荷物を取りに戻った私は、玄関から家の奥に向かって叫ぶ。
「気を付けていってらっしゃい」の声を背中に受けながら玄関を出ると、遠くに銀ちゃんのスクーターの音が聞こえてきた。
「銀ちゃん!」
名前を呼びながら、銀ちゃんの方へと走り出す。
私達がお互いへの想いを再生する まで、あとわずかーー。
〜了〜
「良いじゃない。で、どうするの?」
そう言ってじっと私を見つめるお母さん。そこにどんな意味があるのかなんて、誰が見たって一目瞭然だ。
「お母さんってばやっぱり意地悪! でも……ありがと」
「はいはい」
いつもの優しい笑顔で私の頭を撫でてくれたお母さんは、「頑張んなさいよ」と言ってキッチンへと去っていく。
「……よし!」
気合を入れ、今度は私から電話することにした。せっかくの銀ちゃんの勇気を、無駄にしちゃいけないから。
ところが、私が部屋に戻ろうと踵を返した瞬間に、突然鳴り出す着信音。驚いて思わず触れてしまったのは、留守電の切り替えボタンだった。ピーッと録音開始音が鳴り、聞こえてきたのはーー。
『……こっちの電話より、お前の携帯にかけてェんだよ。いい加減我慢の限界だっつーの。だから……」
信じられないくらいに弱々しい声。
思わず息を呑んだ私は、咄嗟に受話器を上げて叫んだ。
「銀ちゃん!」
「声くらい聞かせ……って、詩織?」
「そうだよ! あのね、銀ちゃん、私……」
ーー私も銀ちゃんの声が聞きたかったんだよ。
そう伝えようとしたのに。
「やっぱさっきのは無し」
「え?」
いきなりの前言撤回に、言葉を失った。でもそれは決して悪い意味ではなく。
「声だけじゃ足りねェ。今すぐ会いに行くから待ってろ!」
「……うん!」
そう答えた時には未だ電話は繋がっていたのに、「いよッシャァァァッ」と遠のいて行く銀ちゃんの声。呆れて大きくため息を吐いてみても、銀ちゃんの喜びが伝わってきてニヤケが止まらない。
「ほんとにもう、銀ちゃんってば」
完全に銀ちゃんの声が聞こえなくなったのを確認した私は、受話器を置く。そして銀ちゃんの残した留守電が上書きされないよう設定しておいた。
「お母さん、私ちょっと出かけてくるね!」
一旦部屋に荷物を取りに戻った私は、玄関から家の奥に向かって叫ぶ。
「気を付けていってらっしゃい」の声を背中に受けながら玄関を出ると、遠くに銀ちゃんのスクーターの音が聞こえてきた。
「銀ちゃん!」
名前を呼びながら、銀ちゃんの方へと走り出す。
私達がお互いへの想いを
〜了〜
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