sleeping beauty(銀時)
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【昼下がり】
「ふわ……あ」
それはとある日の昼下がり。
依頼も無ければ金も無い、無い無いづくしの午後に暇を持て余していた俺は、ぼんやりとソファでテレビを見ていた。
いつもなら仕事を探せと煩い新八も、腹が減ったと騒ぐ神楽も、今日は朝から用事で出かけている。
静かなのはありがたいが、暇過ぎるのも困りものだなと思いつつ、贅沢に有り余っている時間をどう潰そうかと考えながら、もう一つ大きなあくびをこぼした時だった。
「……詩織?」
台所で片付けをしていた詩織が、真剣な面持ちでトテトテとこちらにやってくる。何があったのかと不思議に思いながらその動向を伺っていると、詩織はそのまま何も言わずに俺の横に座った。
「あの……詩織さん?」
「眠い」
「はァ?」
「何をいきなり」と口にする間も無く、ここ最近ソファの横に常備しているカゴから毛布を取り出し、被る。そしてそのまま俺の肩に寄りかかると、本格的に寝る体勢に入った。
「おいおい、詩織、寝るんならちゃんと……」
布団に行けよ、と言おうとしたが、安心しきって目を瞑る詩織を見て、何も言えなくなってしまう。
「風邪ひいちまっても知らねーぞ」
「大丈夫……あったかい……」
よほど眠かったのか、ほにゃほにゃとした声で言う詩織の顔はとても幸せそうだ。普段から素直に好意を示すやつではあるが、改めて詩織が俺をどう想っているのかが伝わってきて、何ともこそばゆい。
「ったく、少しの間だけだかんな」
そう言った俺はわざとらしくため息をつくと、そっと腕を回して詩織を抱き寄せた。体が冷えないように、少しでも俺の体温を分け与えられるように、と。
「銀ちゃん……あったかい……ね……」
その言葉の数秒後には、すうすうと気持ち良さそうな寝息が聞こえ始めた。
「お前も十分あったけェよ」
まるで子供のような体温と、幸せそうな寝顔が自然と俺の口元を緩ませる。
腕の中の詩織を見つめながら、俺は思った。
ーー暇な午後ってのも……悪くはねーな。
〜了〜
「ふわ……あ」
それはとある日の昼下がり。
依頼も無ければ金も無い、無い無いづくしの午後に暇を持て余していた俺は、ぼんやりとソファでテレビを見ていた。
いつもなら仕事を探せと煩い新八も、腹が減ったと騒ぐ神楽も、今日は朝から用事で出かけている。
静かなのはありがたいが、暇過ぎるのも困りものだなと思いつつ、贅沢に有り余っている時間をどう潰そうかと考えながら、もう一つ大きなあくびをこぼした時だった。
「……詩織?」
台所で片付けをしていた詩織が、真剣な面持ちでトテトテとこちらにやってくる。何があったのかと不思議に思いながらその動向を伺っていると、詩織はそのまま何も言わずに俺の横に座った。
「あの……詩織さん?」
「眠い」
「はァ?」
「何をいきなり」と口にする間も無く、ここ最近ソファの横に常備しているカゴから毛布を取り出し、被る。そしてそのまま俺の肩に寄りかかると、本格的に寝る体勢に入った。
「おいおい、詩織、寝るんならちゃんと……」
布団に行けよ、と言おうとしたが、安心しきって目を瞑る詩織を見て、何も言えなくなってしまう。
「風邪ひいちまっても知らねーぞ」
「大丈夫……あったかい……」
よほど眠かったのか、ほにゃほにゃとした声で言う詩織の顔はとても幸せそうだ。普段から素直に好意を示すやつではあるが、改めて詩織が俺をどう想っているのかが伝わってきて、何ともこそばゆい。
「ったく、少しの間だけだかんな」
そう言った俺はわざとらしくため息をつくと、そっと腕を回して詩織を抱き寄せた。体が冷えないように、少しでも俺の体温を分け与えられるように、と。
「銀ちゃん……あったかい……ね……」
その言葉の数秒後には、すうすうと気持ち良さそうな寝息が聞こえ始めた。
「お前も十分あったけェよ」
まるで子供のような体温と、幸せそうな寝顔が自然と俺の口元を緩ませる。
腕の中の詩織を見つめながら、俺は思った。
ーー暇な午後ってのも……悪くはねーな。
〜了〜
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