一年の恋は元旦にあり(銀時)
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「ちょっと銀時。どこまで行くのよ!」
冷たい風を切りながら、銀時のスクーターは走り続ける。
「未だもう少しかかるから、しっかり掴まってろよな」
「いい加減寒くて辛いんですけど。私が寒いの嫌いだって知ってるでしょ?」
「へーへー、すんません。出来るだけ急ぐから、もう少し我慢してくれよ」
実はこれで3回目となるやりとりに私はうんざりしており、正直機嫌が悪かった。でも、今更帰ることもできない。
――あぁもう、何でついて来ちゃったかなぁ、私ってば。
銀時が風除けになっているとは言え、あまりの寒さに後悔ばかりが募っていく。この状況を受け入れてしまった過去の自分を、私は恨んでいた。
時は二時間ほど前に遡る。
お正月用品の買い忘れに気付き、商店街の閉店間際に慌ててお目当ての店へと向かってた時。偶然すれ違った新八くんと神楽ちゃんに声をかけられた。
二人は、私の親がやっている甘味処のお得意さん、坂田銀時率いる万事屋の従業員だ。うちの店には頻繁に通ってくれているため、かなり親しく付き合うようになっている。
特に銀時は、年が近い事もあって話も合い、用事があれば二人で出かける事もあった。
「こんな遅い時間に二人だけでどうしたの? 銀時は?」
「詩織さん、丁度良かった。大晦日の夜だというのに急な仕事が入ったんですが、僕達は今別件で動けないんです。銀さん一人じゃ心許ないので、詩織さんがついて行ってくれませんか? この依頼書を渡せば、銀さんも分かると思います」
「心配無いネ新八。詩織が私たちの頼みを断るはずないし、銀ちゃんも喜ぶアル」
何故かニシシと笑う神楽ちゃんに「余計なこと言わない!」と叱りながら、依頼書が入った封筒を渡して来た新八くん。
さすがに急な話だからと断ろうとしていたけれど、「じゃ、銀さんは万事屋にいますから、あとは宜しく!」と走り去られてしまい、その場に一人取り残されてしまった。
そうなると結局、万事屋へ向かうしか選択肢が無いわけで。急いで買い物を済ませた私は、家を経由して銀時の元へと向かった。
一人で万事屋に残っていた銀時に事の次第を話し、封筒を渡す。中を確認した銀時は「アイツら……」と呟いて私を見たが、一つため息を吐くとすぐに出かける身支度をして言った。
「ちょっと遠いから、しっかり防寒しておけよ。一度お前の家に寄るか?」
「え? そんな遠くまで行かなきゃいけない仕事なの? だったらもう遅い時間だし、私は遠慮して……」
「一度引き受けたら、キャンセルは不可でェす」
「何その強引なやり方。っていうか、そもそも何で私? 甘味屋の娘に、万事屋の手伝いをさせるってどうよ」
「良いから来いって。行くぜ」
こちらの苦情を全てスルーしてしまった銀時は、私の腕を掴むと強引に外へと連れ出した。
ちょっと待ってろと言ってスクーターを運んで来ると、当たり前のようにヘルメットを投げてくる。
「乗れよ」
放物線を描いて飛んでくるヘルメット。それを咄嗟に受け取ってしまった私はもう、全ての拒否権がないのだと諦めていた。
冷たい風を切りながら、銀時のスクーターは走り続ける。
「未だもう少しかかるから、しっかり掴まってろよな」
「いい加減寒くて辛いんですけど。私が寒いの嫌いだって知ってるでしょ?」
「へーへー、すんません。出来るだけ急ぐから、もう少し我慢してくれよ」
実はこれで3回目となるやりとりに私はうんざりしており、正直機嫌が悪かった。でも、今更帰ることもできない。
――あぁもう、何でついて来ちゃったかなぁ、私ってば。
銀時が風除けになっているとは言え、あまりの寒さに後悔ばかりが募っていく。この状況を受け入れてしまった過去の自分を、私は恨んでいた。
時は二時間ほど前に遡る。
お正月用品の買い忘れに気付き、商店街の閉店間際に慌ててお目当ての店へと向かってた時。偶然すれ違った新八くんと神楽ちゃんに声をかけられた。
二人は、私の親がやっている甘味処のお得意さん、坂田銀時率いる万事屋の従業員だ。うちの店には頻繁に通ってくれているため、かなり親しく付き合うようになっている。
特に銀時は、年が近い事もあって話も合い、用事があれば二人で出かける事もあった。
「こんな遅い時間に二人だけでどうしたの? 銀時は?」
「詩織さん、丁度良かった。大晦日の夜だというのに急な仕事が入ったんですが、僕達は今別件で動けないんです。銀さん一人じゃ心許ないので、詩織さんがついて行ってくれませんか? この依頼書を渡せば、銀さんも分かると思います」
「心配無いネ新八。詩織が私たちの頼みを断るはずないし、銀ちゃんも喜ぶアル」
何故かニシシと笑う神楽ちゃんに「余計なこと言わない!」と叱りながら、依頼書が入った封筒を渡して来た新八くん。
さすがに急な話だからと断ろうとしていたけれど、「じゃ、銀さんは万事屋にいますから、あとは宜しく!」と走り去られてしまい、その場に一人取り残されてしまった。
そうなると結局、万事屋へ向かうしか選択肢が無いわけで。急いで買い物を済ませた私は、家を経由して銀時の元へと向かった。
一人で万事屋に残っていた銀時に事の次第を話し、封筒を渡す。中を確認した銀時は「アイツら……」と呟いて私を見たが、一つため息を吐くとすぐに出かける身支度をして言った。
「ちょっと遠いから、しっかり防寒しておけよ。一度お前の家に寄るか?」
「え? そんな遠くまで行かなきゃいけない仕事なの? だったらもう遅い時間だし、私は遠慮して……」
「一度引き受けたら、キャンセルは不可でェす」
「何その強引なやり方。っていうか、そもそも何で私? 甘味屋の娘に、万事屋の手伝いをさせるってどうよ」
「良いから来いって。行くぜ」
こちらの苦情を全てスルーしてしまった銀時は、私の腕を掴むと強引に外へと連れ出した。
ちょっと待ってろと言ってスクーターを運んで来ると、当たり前のようにヘルメットを投げてくる。
「乗れよ」
放物線を描いて飛んでくるヘルメット。それを咄嗟に受け取ってしまった私はもう、全ての拒否権がないのだと諦めていた。
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