Trick or treat.(銀時)
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買い物途中、ハロウィン限定のキャンディを見つけた。
パッケージの可愛さに惹かれ、いわゆるパケ買いって奴をしてみれば、どうやらそれは私の苦手な味だったようで。きちんと見ておけば良かったと後悔しながらも、買ってしまった以上捨てるわけにもいかず。帰る道すがらの公園のベンチに座り、覚悟を決めて開封した。
「……やっぱ苦手……」
予想通りの味に顔を顰めながらも、次のキャンディを口に入れた時。
「あれ? 詩織、良い物持ってんじゃん。……ってお前、なんつー顔して食ってんだよ」
たまたま通りかかった銀ちゃんが、呆れたように声をかけて来た。答える気力もなく、キャンディの袋を掲げて見せれば、表記されている内容を確認して納得する。
「詩織の事だからどうせまた、『このデザイン可愛い~! 買っちゃおっと』みたいなノリで買っちまったんだろ」
何で分かったの? と聞きたくても、味のダメージが大きすぎてその気になれない。仕方なく小さく頷く私を見て更に呆れたのか、銀ちゃんは自分の後頭部をワシワシとかき混ぜると、大きくため息を吐いた。
「ったく、これだから放っておけねェんだよな……」
そうぼやいた銀ちゃんは、私の目の前で腰をかがめ、正面から顔を覗き込んできた。
「トリックオアトリート」
「……は?」
突然言われ、間抜けな声をあげた私に、銀ちゃんがキスをする。しかも強引に舌を挿し込んできたかと思うと、口の中にあったキャンディを攫っていった。
「この味、銀さん大好きなんだわ。ってなわけで袋ごと全部もらってくな」
ニッと笑って満足気に立ち去る銀ちゃんを、呆然と見送る私。あまりにも予想外の出来事だった為、状況を理解するまでには相当の時間が必要だった。
「キス……しちゃった……」
しかも、大人のキス。
「ど、どどどどうしよう。私、銀ちゃんとキスしちゃったよ? これってどう受け止めれば良いの?」
実はずっと胸に抱いていた恋心を、銀ちゃんに伝えた事は一度たりとも無い。大して年は離れていないのに、いつだって子ども扱いをされていたせいで、恋愛の対象では無いのだと思い込んでもいたし。そんな中でのこの行動は、私をパニックに陥れていた。
「そ、そう言えばさっきの銀ちゃんの顔、少し赤くなってたような……ってあれ? キスの衝撃で気が付かなかったけど、ハロウィンって明日じゃない。いやでも前夜祭ってのもあるし……っていうか私、銀ちゃんにお菓子をあげた事になるの? それともイタズラされたの? あれ?」
疑問符ばかりが頭に浮かび、考えがまとまらない。
「こうなったら、明日は私が……!」
――銀ちゃんに疑問と呪文をぶつけてやる!
きっと答えを見つけるには、それが一番早くて確実だろう。そんな結論に至った私は、未だ鮮明に残っている銀ちゃんの熱に翻弄されながらも何とか家路についたのだった。
パッケージの可愛さに惹かれ、いわゆるパケ買いって奴をしてみれば、どうやらそれは私の苦手な味だったようで。きちんと見ておけば良かったと後悔しながらも、買ってしまった以上捨てるわけにもいかず。帰る道すがらの公園のベンチに座り、覚悟を決めて開封した。
「……やっぱ苦手……」
予想通りの味に顔を顰めながらも、次のキャンディを口に入れた時。
「あれ? 詩織、良い物持ってんじゃん。……ってお前、なんつー顔して食ってんだよ」
たまたま通りかかった銀ちゃんが、呆れたように声をかけて来た。答える気力もなく、キャンディの袋を掲げて見せれば、表記されている内容を確認して納得する。
「詩織の事だからどうせまた、『このデザイン可愛い~! 買っちゃおっと』みたいなノリで買っちまったんだろ」
何で分かったの? と聞きたくても、味のダメージが大きすぎてその気になれない。仕方なく小さく頷く私を見て更に呆れたのか、銀ちゃんは自分の後頭部をワシワシとかき混ぜると、大きくため息を吐いた。
「ったく、これだから放っておけねェんだよな……」
そうぼやいた銀ちゃんは、私の目の前で腰をかがめ、正面から顔を覗き込んできた。
「トリックオアトリート」
「……は?」
突然言われ、間抜けな声をあげた私に、銀ちゃんがキスをする。しかも強引に舌を挿し込んできたかと思うと、口の中にあったキャンディを攫っていった。
「この味、銀さん大好きなんだわ。ってなわけで袋ごと全部もらってくな」
ニッと笑って満足気に立ち去る銀ちゃんを、呆然と見送る私。あまりにも予想外の出来事だった為、状況を理解するまでには相当の時間が必要だった。
「キス……しちゃった……」
しかも、大人のキス。
「ど、どどどどうしよう。私、銀ちゃんとキスしちゃったよ? これってどう受け止めれば良いの?」
実はずっと胸に抱いていた恋心を、銀ちゃんに伝えた事は一度たりとも無い。大して年は離れていないのに、いつだって子ども扱いをされていたせいで、恋愛の対象では無いのだと思い込んでもいたし。そんな中でのこの行動は、私をパニックに陥れていた。
「そ、そう言えばさっきの銀ちゃんの顔、少し赤くなってたような……ってあれ? キスの衝撃で気が付かなかったけど、ハロウィンって明日じゃない。いやでも前夜祭ってのもあるし……っていうか私、銀ちゃんにお菓子をあげた事になるの? それともイタズラされたの? あれ?」
疑問符ばかりが頭に浮かび、考えがまとまらない。
「こうなったら、明日は私が……!」
――銀ちゃんに疑問と呪文をぶつけてやる!
きっと答えを見つけるには、それが一番早くて確実だろう。そんな結論に至った私は、未だ鮮明に残っている銀ちゃんの熱に翻弄されながらも何とか家路についたのだった。
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