夏の誘惑(銀時)
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「仕事なんて、詩織を海に誘うダシに決まってんだろ。人混みを好まないお前を海に引っ張り出す方法が、これしか思いつかなかったんだってーの。そんくらい気付けよばァか」
照れ臭さを隠すために、ワザと意地の悪い言い方をするのは銀時の癖だ。そこでようやく銀時の想いに気付き、私を抱きしめている腕にそっと手を置きながら言った。
「そんな遠回しな言い方をしなくても、銀時が誘ってくれるなら……どこだって行くよ」
「え? マジで?」
本気で驚いたのだろう。振り向いて見上げれば、銀時は目を丸くして私を見つめていた。
「お情けとかじゃなく、ホントの本気で言ってんだよな? 俺の言ってる意味を理解してんだよな?」
「流石にここまで言われたら分かるわよ。行き先は時と場合によるけどね。今回みたいに一人で放置はもうごめんだよ」
私がそう答えると、銀時は心底嬉しそうな表情を見せながら、更に強く私を抱きしめた。
「よーっし、そうと決まれば銀さんも張り切んないとな。さっさと仕事を終わらせて、今夜はお泊まりデートだ!」
「はい? お泊まりってどういう事よ」
「言葉通りだろ。両思いってのが確認できた記念に、しっぽり夏の思い出を作るって算段な」
「ちょっと待ってよ、勝手な事言わないで! そもそも私はお店の住み込みだし、お登勢さんが許すはず……」
「許可なんて後から取れば問題ねーよ。まァばーさんの事だから全部分かってるだろうしな」
肩を竦めながらも信頼の表情を見せられれば、納得せざるを得ない。そう言えば私を送り出した時のお登勢さんは、やけにご機嫌と言うか、ニヤニヤと笑っていたような……。
「実はずっと前からお互いを意識してたのに、どちらも動こうとしねーから、まどろっこしいって言われてたんだよ。むしろ結ばれて帰っちまった方が、ばーさん的にも喜ぶと思うぜ」
随分勝手な事を言ってるなとは思いながらも、不思議と納得してしまっている自分がいて。
「要はお登勢さんの差し金って事ね。……もう好きにしちゃって下さい」
少し考えはした物の、最後は全てを銀時に任せる事にした。
その後急いで海の家に戻った私たちは、協力して仕事に取り掛かる。銀時も、何だかんだ言ってた割に真面目な働きぶりを見せ、任されていた販売数をさっさと売り切った。
そして予定より早く仕事を終えた私たちは、海からほど近い宿へと向かったわけだけれど。
実は私を助けてくれた時からずっと、銀時は自分を必死に抑えていたらしく。
「さすがに疲れちゃったし、ゆっくりしたいね」と言いながら部屋に足を踏み入れた私を、荷物を置く間も与えずに抱きしめた。
「悪ィ、もう限界だわ」
「え? ちょっと銀……っ!」
理性の吹っ飛んでしまった銀時による深い口付けは、私の心と体を蕩かせーー。
結局そのまま肌を重ねた私たちは、『ゆっくり』とは程遠い時間を、朝まで過ごす事になったのだった。
〜了、なのか!?〜
照れ臭さを隠すために、ワザと意地の悪い言い方をするのは銀時の癖だ。そこでようやく銀時の想いに気付き、私を抱きしめている腕にそっと手を置きながら言った。
「そんな遠回しな言い方をしなくても、銀時が誘ってくれるなら……どこだって行くよ」
「え? マジで?」
本気で驚いたのだろう。振り向いて見上げれば、銀時は目を丸くして私を見つめていた。
「お情けとかじゃなく、ホントの本気で言ってんだよな? 俺の言ってる意味を理解してんだよな?」
「流石にここまで言われたら分かるわよ。行き先は時と場合によるけどね。今回みたいに一人で放置はもうごめんだよ」
私がそう答えると、銀時は心底嬉しそうな表情を見せながら、更に強く私を抱きしめた。
「よーっし、そうと決まれば銀さんも張り切んないとな。さっさと仕事を終わらせて、今夜はお泊まりデートだ!」
「はい? お泊まりってどういう事よ」
「言葉通りだろ。両思いってのが確認できた記念に、しっぽり夏の思い出を作るって算段な」
「ちょっと待ってよ、勝手な事言わないで! そもそも私はお店の住み込みだし、お登勢さんが許すはず……」
「許可なんて後から取れば問題ねーよ。まァばーさんの事だから全部分かってるだろうしな」
肩を竦めながらも信頼の表情を見せられれば、納得せざるを得ない。そう言えば私を送り出した時のお登勢さんは、やけにご機嫌と言うか、ニヤニヤと笑っていたような……。
「実はずっと前からお互いを意識してたのに、どちらも動こうとしねーから、まどろっこしいって言われてたんだよ。むしろ結ばれて帰っちまった方が、ばーさん的にも喜ぶと思うぜ」
随分勝手な事を言ってるなとは思いながらも、不思議と納得してしまっている自分がいて。
「要はお登勢さんの差し金って事ね。……もう好きにしちゃって下さい」
少し考えはした物の、最後は全てを銀時に任せる事にした。
その後急いで海の家に戻った私たちは、協力して仕事に取り掛かる。銀時も、何だかんだ言ってた割に真面目な働きぶりを見せ、任されていた販売数をさっさと売り切った。
そして予定より早く仕事を終えた私たちは、海からほど近い宿へと向かったわけだけれど。
実は私を助けてくれた時からずっと、銀時は自分を必死に抑えていたらしく。
「さすがに疲れちゃったし、ゆっくりしたいね」と言いながら部屋に足を踏み入れた私を、荷物を置く間も与えずに抱きしめた。
「悪ィ、もう限界だわ」
「え? ちょっと銀……っ!」
理性の吹っ飛んでしまった銀時による深い口付けは、私の心と体を蕩かせーー。
結局そのまま肌を重ねた私たちは、『ゆっくり』とは程遠い時間を、朝まで過ごす事になったのだった。
〜了、なのか!?〜
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