夏の誘惑(銀時)
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「な〜んだ、やっぱお姉さんもその気だったんだ? まあこんな美味しいカッコしてるわけだし? 俺たちも分かってたけどさ」
「そうそう。上着着てても目立ってたもんな。良い男探してます〜って感じでよ」
いやらしい視線が集中していたのは、私の胸元。つい最近、吉原で流行っているからと月詠ちゃんからもらったビキニの寄せ上げ効果が、無駄に発揮されてしまったようだ。
「せっかくのお誘いを断るのも悪いと思ってさ。こうしてわざわざ来てやったんだし、楽しませてもらうぜ」
そう言って、下卑た笑み浮かべた一人の男が手を伸ばしてくる。後ろに逃げようとすれば、いつの間にか別の男が立ちふさがり、がっしりと私の体を固定した。
「逃がさねーよ! 安心しなって。俺たちが良い思い出作ってやっから」
ゲラゲラと笑う男たち。恐怖で足が竦んでしまった私に逃れる術はない。ならばせめて現実から逃れたくて、ぎゅっと目を閉じた。
正面にいた男の気配を間近に感じ、その手が私の水着の紐に触れた時――。
ドゴッ!
「ぐはっ!」
凄まじい音と共に、悲鳴が上がった。
次の瞬間、私の体はふわりと浮かび、抱きかかえられた形となる。何が起きたのかと恐る恐る目を開けると、そこには怒りに満ちた銀時の顔があった。
「銀時……っ!」
「黙ってろ、舌噛むぞ」
目も合わせず低い声で言われた私は、ただ銀時の言葉に従って口を噤む。
両手で私を軽々と抱きかかえながら、足だけで男たちをあっさりとのしてしまった銀時は、ボロボロになって逃げていく男たちの姿が見えなくなると、私をそっと地面に下ろしてくれた。
「ったく……だからラッシュは脱ぐなっつっただろうが!」
そう言いながら自分の上着を脱ぎ、私にかけてくれる。それはまるで今まで海の中にいたかのように、ぐっしょりと濡れていた。
「……ねぇ、濡れてて気持ち悪い」
「うるせェ! 文句言わずにさっさと着やがれ」
ムスッとした表情で、強引に上着を着せる銀時の体からは、流れるような汗が吹き出ていた。あの海の家からここまでは、かなりの距離だ。しかも砂浜は走りにくいとくれば、相当苦労してここまで来てくれたのだろう。
「お店、未だ終わってないんでしょ? 大丈夫なの?」
「んな台詞、よく言えるよな。お前が男たちに連れて行かれるのが見えたから、店ほっぽり出して来てやったってのに」
「……分かってるよ」
分かってる。
本当は男たちに取り囲まれた時、視界の端に見えていた海の家。咄嗟に助けを求めようとしたけれど、仕事をしている姿が見えて、躊躇してしまった私の耳にも聞こえていたから。
「詩織、待ってろ!」
そう叫んで店を飛び出した銀時の声が。
「ごめんなさい……ありがとう」
そっと、銀時の腰に抱きつく。
胸元に頬を押し付ければ、ようやく危険が去った事を認識できた私の体が震え始めた。
「こ……わかった……」
「よしよし、銀さんが追っ払ったし、もう大丈夫だからな」
「うん……うん……」
優しい言葉をかけられても、なかなか震えは止まらなくて。しがみついたまま離れようとしない私に文句も言わず、銀時は私の頭を撫でながら落ち着くのを待ってくれていた。
「そうそう。上着着てても目立ってたもんな。良い男探してます〜って感じでよ」
いやらしい視線が集中していたのは、私の胸元。つい最近、吉原で流行っているからと月詠ちゃんからもらったビキニの寄せ上げ効果が、無駄に発揮されてしまったようだ。
「せっかくのお誘いを断るのも悪いと思ってさ。こうしてわざわざ来てやったんだし、楽しませてもらうぜ」
そう言って、下卑た笑み浮かべた一人の男が手を伸ばしてくる。後ろに逃げようとすれば、いつの間にか別の男が立ちふさがり、がっしりと私の体を固定した。
「逃がさねーよ! 安心しなって。俺たちが良い思い出作ってやっから」
ゲラゲラと笑う男たち。恐怖で足が竦んでしまった私に逃れる術はない。ならばせめて現実から逃れたくて、ぎゅっと目を閉じた。
正面にいた男の気配を間近に感じ、その手が私の水着の紐に触れた時――。
ドゴッ!
「ぐはっ!」
凄まじい音と共に、悲鳴が上がった。
次の瞬間、私の体はふわりと浮かび、抱きかかえられた形となる。何が起きたのかと恐る恐る目を開けると、そこには怒りに満ちた銀時の顔があった。
「銀時……っ!」
「黙ってろ、舌噛むぞ」
目も合わせず低い声で言われた私は、ただ銀時の言葉に従って口を噤む。
両手で私を軽々と抱きかかえながら、足だけで男たちをあっさりとのしてしまった銀時は、ボロボロになって逃げていく男たちの姿が見えなくなると、私をそっと地面に下ろしてくれた。
「ったく……だからラッシュは脱ぐなっつっただろうが!」
そう言いながら自分の上着を脱ぎ、私にかけてくれる。それはまるで今まで海の中にいたかのように、ぐっしょりと濡れていた。
「……ねぇ、濡れてて気持ち悪い」
「うるせェ! 文句言わずにさっさと着やがれ」
ムスッとした表情で、強引に上着を着せる銀時の体からは、流れるような汗が吹き出ていた。あの海の家からここまでは、かなりの距離だ。しかも砂浜は走りにくいとくれば、相当苦労してここまで来てくれたのだろう。
「お店、未だ終わってないんでしょ? 大丈夫なの?」
「んな台詞、よく言えるよな。お前が男たちに連れて行かれるのが見えたから、店ほっぽり出して来てやったってのに」
「……分かってるよ」
分かってる。
本当は男たちに取り囲まれた時、視界の端に見えていた海の家。咄嗟に助けを求めようとしたけれど、仕事をしている姿が見えて、躊躇してしまった私の耳にも聞こえていたから。
「詩織、待ってろ!」
そう叫んで店を飛び出した銀時の声が。
「ごめんなさい……ありがとう」
そっと、銀時の腰に抱きつく。
胸元に頬を押し付ければ、ようやく危険が去った事を認識できた私の体が震え始めた。
「こ……わかった……」
「よしよし、銀さんが追っ払ったし、もう大丈夫だからな」
「うん……うん……」
優しい言葉をかけられても、なかなか震えは止まらなくて。しがみついたまま離れようとしない私に文句も言わず、銀時は私の頭を撫でながら落ち着くのを待ってくれていた。