ある昼下がりの恋人たち(銀時)
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「何? 銀ちゃんと茉奈だけにしか分からない会話が繰り広げられてるみたいだけど、どういう事?」
「ん~、要するに詩織が可愛いって事?」
「もう、銀ちゃんってばまたはぐらかす!」
「はいはい、ご馳走様でした。私はここで退散するわ。もうお腹一杯だし」
「え? 茉奈?」
「坂田さん、あと宜しく~。ま、出来ればもう少し詩織にも分かるような行動をして下さいね」
「はいよ。あ、土方なら今頃いつもの店で犬の餌食ってんぜ」
「一言多い! そんじゃね、詩織」
そう言って茉奈は、あっさりと店を出て行ってしまった。
残された詩織は、置いてけぼりの状態でポカンとしたまま、銀時を見つめている。
「……さっきの話、どういう事? 惚気レベルって何? 気付くって何を? まさか茉奈ってば土方さんが好きなの?」
「一気に質問してくんなよ。それよかまず溶ける前に氷を食っちまおうぜ。話はその後だ」
「でも……また私、一人だけ周りが見えて無いのかな? 茉奈に嫌な思いをさせちゃったのかな……」
不安そうに言う詩織に、銀時は優しく微笑むと、そっと頭を撫でてやった。
「あの子はお前の親友なんだろ? 何も心配いらねーよ。ほら、氷食っちまえ」
「うん……」
茉奈の事が気が気でないのか、店の外を気にするばかりの詩織に銀時は嘆息する。そしていつの間にか詩織の手から銀時の手に移ったスプーンで氷をすくうと、詩織の口元に運んだ。
「あの子はちゃんと土方君がフォローしてくれるって。なんてったってフォロ方十四フォローって異名を持ってるしな」
「何そのあだ名。カッコいいのか悪いのか分かんない」
「だから、心配しなくても良いんだって。お前は俺だけ見てりゃいーの」
「銀ちゃん……何か怒ってる?」
珍しく真剣な顔をしていた銀時に、詩織が驚いたように言う。それが決して怒っているのではなく、詩織の親友である茉奈と、おまけで土方への嫉妬心だという事に、詩織は気付いていない。
「ほら、さっさと食って万事屋に行くぞ」
「え? でも今日は……」
「この後予定無いんだろ? だったら来いよ。今なら新八も神楽もいねーしよ」
「って事はまた私が家事全般請け負うの?」
「そんなに嫌か?……俺は夫婦みたいで結構楽しんでたんだけどな」
「……!」
ようやく全てを理解した詩織が目を見開いて息を飲んだ瞬間、銀時の唇が重なる。
「食わないなら、俺が食っちまうぞ。氷も……詩織も」
そう言って銀時が笑えば、詩織の顔が真っ赤に染まる。だがそれはすぐに幸せな表情となり、銀時の笑みを更に深くしたのだった。
~了~
「ん~、要するに詩織が可愛いって事?」
「もう、銀ちゃんってばまたはぐらかす!」
「はいはい、ご馳走様でした。私はここで退散するわ。もうお腹一杯だし」
「え? 茉奈?」
「坂田さん、あと宜しく~。ま、出来ればもう少し詩織にも分かるような行動をして下さいね」
「はいよ。あ、土方なら今頃いつもの店で犬の餌食ってんぜ」
「一言多い! そんじゃね、詩織」
そう言って茉奈は、あっさりと店を出て行ってしまった。
残された詩織は、置いてけぼりの状態でポカンとしたまま、銀時を見つめている。
「……さっきの話、どういう事? 惚気レベルって何? 気付くって何を? まさか茉奈ってば土方さんが好きなの?」
「一気に質問してくんなよ。それよかまず溶ける前に氷を食っちまおうぜ。話はその後だ」
「でも……また私、一人だけ周りが見えて無いのかな? 茉奈に嫌な思いをさせちゃったのかな……」
不安そうに言う詩織に、銀時は優しく微笑むと、そっと頭を撫でてやった。
「あの子はお前の親友なんだろ? 何も心配いらねーよ。ほら、氷食っちまえ」
「うん……」
茉奈の事が気が気でないのか、店の外を気にするばかりの詩織に銀時は嘆息する。そしていつの間にか詩織の手から銀時の手に移ったスプーンで氷をすくうと、詩織の口元に運んだ。
「あの子はちゃんと土方君がフォローしてくれるって。なんてったってフォロ方十四フォローって異名を持ってるしな」
「何そのあだ名。カッコいいのか悪いのか分かんない」
「だから、心配しなくても良いんだって。お前は俺だけ見てりゃいーの」
「銀ちゃん……何か怒ってる?」
珍しく真剣な顔をしていた銀時に、詩織が驚いたように言う。それが決して怒っているのではなく、詩織の親友である茉奈と、おまけで土方への嫉妬心だという事に、詩織は気付いていない。
「ほら、さっさと食って万事屋に行くぞ」
「え? でも今日は……」
「この後予定無いんだろ? だったら来いよ。今なら新八も神楽もいねーしよ」
「って事はまた私が家事全般請け負うの?」
「そんなに嫌か?……俺は夫婦みたいで結構楽しんでたんだけどな」
「……!」
ようやく全てを理解した詩織が目を見開いて息を飲んだ瞬間、銀時の唇が重なる。
「食わないなら、俺が食っちまうぞ。氷も……詩織も」
そう言って銀時が笑えば、詩織の顔が真っ赤に染まる。だがそれはすぐに幸せな表情となり、銀時の笑みを更に深くしたのだった。
~了~
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