ある昼下がりの恋人たち(銀時)
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その日、買い物帰りに立ち寄ったカフェ。
かき氷をザクザクと崩しながら詩織は、目の前に座っている友人の茉奈に愚痴をぶちまけていた。
「ほんと、いつもいつもアイツってばだらしなくて、いい加減なんだよ!」
スプーン一杯に氷をすくい、口の中に運べばキーンと頭に冷たさが響く。思わずイタタと顔を顰める詩織に、茉奈は呆れたように言った。
「あんたも飽きないねぇ。毎度毎度愚痴ばっか。そんなに腹が立つんなら、別れれば良いじゃん」
「それは……困る。別れられるはずないでしょ?」
「困るって何でさ。仕事しないで遊び呆けてる三十路前のおっさんに、二十歳そこそこの若い女が振り回されてるってのが私にゃ納得いかないね」
やれやれとばかりに頬杖をつき、冷たく言い放つ茉奈。しかし詩織はと言うと、「だって~」と叱られた子犬のようにしょげながらも、氷を口に運び続けている。
「ったく……そんで? あんたはどうしたいのよ」
「だから~、私が行く日に限って脱いだ服がほっぽらかされてたり、奥の部屋は万年床状態だったり、食材はあるのにご飯を作ろうとしないでジャンプ読んで昼寝ばっかりってのをやめて欲しいの!」
「……何じゃそりゃ。確かあの人って、一緒に住んでる子供がいなかった? 眼鏡の男の子が、色々と有能じゃなかったっけ? 前にあんたに連れられて万事屋に行った時も、凄くキレイにされてるなって思ったんだけど……」
「それがね、私と約束した日に限って新八くんも神楽ちゃんもいないの! 本当は外でデートしたいのに、いっつも家事に追われちゃうんだもん。愚痴を言いたくなるのも分かるでしょ?」
そう言って怒る詩織を、茉奈は目を丸くしながら見ていたが、やがてそれは苦笑いに変わる。
「ねぇ詩織……あんた、彼が何を考えてるか、本気で気付いて無いの?」
「え? 何を考えてるかってどういう事?」
「……なるほどね。でもまぁ天然だしな……」
「何? 天然って?」
「それはね……」
茉奈が説明をしようとした時だった。
「よォ、詩織。良いモン食ってんじゃん」
「銀ちゃん!」
突然現れた銀時が、当たり前のように詩織の隣に座る。そして丁度スプーンに乗っていた氷にパクリと食らいついた。
「くぅ~っ、つめてェ」
「あ~! また勝手に食べた!」
「やっぱいちごミルクは美味いよな。詩織、もう一口ちょーだい」
「も~、銀ちゃんってばいつもそうなんだから!」
相変わらず怒っている様子の詩織だが、明らかにその頬は緩んでいる。言われるがままに次の氷をすくえば、嬉しそうに銀時が口を開けた。
そんな二人の姿に、やってられないと席を立つ茉奈。
「毎度の事ですけど、良いタイミングで現れますね、坂田さん」
「偶然だよ、偶然」
「そーなんだ。そんじゃ、その偶然に今後は私を巻き込まないようにしてもらえますかね。回を重ねるごとに惚気レベルが上がってて、さすがに辛いんですけど」
「あ、やっぱ分かった? だよな~。いい加減コイツも気付いてくれないかと思ってんだけどさ」
どうやら少し前から銀時も店にいたようだ。そしてこの銀時の返事は、詩織の話から気付いた茉奈の想像が正しい事を証明した。
かき氷をザクザクと崩しながら詩織は、目の前に座っている友人の茉奈に愚痴をぶちまけていた。
「ほんと、いつもいつもアイツってばだらしなくて、いい加減なんだよ!」
スプーン一杯に氷をすくい、口の中に運べばキーンと頭に冷たさが響く。思わずイタタと顔を顰める詩織に、茉奈は呆れたように言った。
「あんたも飽きないねぇ。毎度毎度愚痴ばっか。そんなに腹が立つんなら、別れれば良いじゃん」
「それは……困る。別れられるはずないでしょ?」
「困るって何でさ。仕事しないで遊び呆けてる三十路前のおっさんに、二十歳そこそこの若い女が振り回されてるってのが私にゃ納得いかないね」
やれやれとばかりに頬杖をつき、冷たく言い放つ茉奈。しかし詩織はと言うと、「だって~」と叱られた子犬のようにしょげながらも、氷を口に運び続けている。
「ったく……そんで? あんたはどうしたいのよ」
「だから~、私が行く日に限って脱いだ服がほっぽらかされてたり、奥の部屋は万年床状態だったり、食材はあるのにご飯を作ろうとしないでジャンプ読んで昼寝ばっかりってのをやめて欲しいの!」
「……何じゃそりゃ。確かあの人って、一緒に住んでる子供がいなかった? 眼鏡の男の子が、色々と有能じゃなかったっけ? 前にあんたに連れられて万事屋に行った時も、凄くキレイにされてるなって思ったんだけど……」
「それがね、私と約束した日に限って新八くんも神楽ちゃんもいないの! 本当は外でデートしたいのに、いっつも家事に追われちゃうんだもん。愚痴を言いたくなるのも分かるでしょ?」
そう言って怒る詩織を、茉奈は目を丸くしながら見ていたが、やがてそれは苦笑いに変わる。
「ねぇ詩織……あんた、彼が何を考えてるか、本気で気付いて無いの?」
「え? 何を考えてるかってどういう事?」
「……なるほどね。でもまぁ天然だしな……」
「何? 天然って?」
「それはね……」
茉奈が説明をしようとした時だった。
「よォ、詩織。良いモン食ってんじゃん」
「銀ちゃん!」
突然現れた銀時が、当たり前のように詩織の隣に座る。そして丁度スプーンに乗っていた氷にパクリと食らいついた。
「くぅ~っ、つめてェ」
「あ~! また勝手に食べた!」
「やっぱいちごミルクは美味いよな。詩織、もう一口ちょーだい」
「も~、銀ちゃんってばいつもそうなんだから!」
相変わらず怒っている様子の詩織だが、明らかにその頬は緩んでいる。言われるがままに次の氷をすくえば、嬉しそうに銀時が口を開けた。
そんな二人の姿に、やってられないと席を立つ茉奈。
「毎度の事ですけど、良いタイミングで現れますね、坂田さん」
「偶然だよ、偶然」
「そーなんだ。そんじゃ、その偶然に今後は私を巻き込まないようにしてもらえますかね。回を重ねるごとに惚気レベルが上がってて、さすがに辛いんですけど」
「あ、やっぱ分かった? だよな~。いい加減コイツも気付いてくれないかと思ってんだけどさ」
どうやら少し前から銀時も店にいたようだ。そしてこの銀時の返事は、詩織の話から気付いた茉奈の想像が正しい事を証明した。
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