私の彼氏はS属性(沖田)
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「総悟くん」
夕方、私は真選組の屯所にいた。この時間は、比較的総悟くんの自由がきくことを聞いていたから。
「詩織。何かあったんですかィ?」
私の姿に気付き、総悟くんが駆け寄って来てくれる。隊士の人たちの微笑ましい視線を、殺気で跳ね返す総悟くんをなだめながら、いつものように総悟くんの部屋へと通された。
「で? 今日は一体どうしたんですかィ、詩織。電話でもしてくれりゃ、こっちから迎えに行ったってのに」
「うん……すぐに終わる用事だから、呼び出すのが悪いと思って」
向かい合わせの座布団に座り、穏やかな会話を交わしてはいるけれど。実は今の私の心臓は、緊張のせいでとんでもなく暴れていた。
「詩織? 顔がやけに赤いけど、体調が悪いならザキを呼んで診させやしょうか?」
心配そうに私の顔を覗き込む総悟くん。慌てて「違うの」と首を横に振ると、私は思い切って本題を切り出した。
「あのね、今日が総悟くんの誕生日って知ったから、その……お祝いを言いに来たの。お誕生日おめでとう、総悟くん」
「ありがとうございやす」
「それでね、プレゼントなんだけど、さすがに間に合わなくて……」
覚悟を決めて来たはずなのに、緊張でなかなか言葉が続かない。ここから先が本題だと言うのに、勇気の出ない自分が情けなかった。
「間に合わなくて?」
つぶらな瞳が私を見つめ、その先を待っているのが分かるだけに、更に心臓がバクバクと暴れだす。
ーー言わなくちゃ。ちゃんと……自分で決めた事じゃない。
頭から湯気が出そうになる程、必死に自分の心に語りかけていると。
「続きを聞かせてくだせェ、詩織」
総悟くんが優しく言いながら、後押しするように私の頭をそっと撫でてくれた。その手はとても優しくて、少しだけ緊張がほぐれる。
「ちゃんと聞いてやすから」
とても安心できるその言葉は私の心に染み込み、落ち着かせてくれた。
「うん……あのね、総悟くん」
「何ですかィ?」
「さすがにプレゼントが間に合わなくて、とりあえず総悟くんの好きなお菓子は買ってきたんだけど、これじゃ特別感が無いから……」
そこまで言って、グッと拳を握る。
そして今度こそ覚悟を決めた私は、その手を総悟くんの胸元に伸ばした。そっと服を掴み、体を前にかがませるようにゆっくりと引っ張る。
「詩織……?」
突然の事に驚いた総悟くんの声を、耳元で間近に聞く。
チュッ
総悟くんの頬に口付けた私は、飛び下がるように総悟くんから離れた。
「きょ、今日はこれで許してください。あの、また日を改めてちゃんとプレゼントを準備……っ!」
続きは、言えなかった。
気が付いた時には総悟くんの腕の中で、唇を塞がれた状態になっていたから。
「そ……!」
一瞬唇が離れ、名を呼ぼうとしたもののまた、唇が重ねられる。そのまま暫く、私は言葉を発することを許されなかった。
夕方、私は真選組の屯所にいた。この時間は、比較的総悟くんの自由がきくことを聞いていたから。
「詩織。何かあったんですかィ?」
私の姿に気付き、総悟くんが駆け寄って来てくれる。隊士の人たちの微笑ましい視線を、殺気で跳ね返す総悟くんをなだめながら、いつものように総悟くんの部屋へと通された。
「で? 今日は一体どうしたんですかィ、詩織。電話でもしてくれりゃ、こっちから迎えに行ったってのに」
「うん……すぐに終わる用事だから、呼び出すのが悪いと思って」
向かい合わせの座布団に座り、穏やかな会話を交わしてはいるけれど。実は今の私の心臓は、緊張のせいでとんでもなく暴れていた。
「詩織? 顔がやけに赤いけど、体調が悪いならザキを呼んで診させやしょうか?」
心配そうに私の顔を覗き込む総悟くん。慌てて「違うの」と首を横に振ると、私は思い切って本題を切り出した。
「あのね、今日が総悟くんの誕生日って知ったから、その……お祝いを言いに来たの。お誕生日おめでとう、総悟くん」
「ありがとうございやす」
「それでね、プレゼントなんだけど、さすがに間に合わなくて……」
覚悟を決めて来たはずなのに、緊張でなかなか言葉が続かない。ここから先が本題だと言うのに、勇気の出ない自分が情けなかった。
「間に合わなくて?」
つぶらな瞳が私を見つめ、その先を待っているのが分かるだけに、更に心臓がバクバクと暴れだす。
ーー言わなくちゃ。ちゃんと……自分で決めた事じゃない。
頭から湯気が出そうになる程、必死に自分の心に語りかけていると。
「続きを聞かせてくだせェ、詩織」
総悟くんが優しく言いながら、後押しするように私の頭をそっと撫でてくれた。その手はとても優しくて、少しだけ緊張がほぐれる。
「ちゃんと聞いてやすから」
とても安心できるその言葉は私の心に染み込み、落ち着かせてくれた。
「うん……あのね、総悟くん」
「何ですかィ?」
「さすがにプレゼントが間に合わなくて、とりあえず総悟くんの好きなお菓子は買ってきたんだけど、これじゃ特別感が無いから……」
そこまで言って、グッと拳を握る。
そして今度こそ覚悟を決めた私は、その手を総悟くんの胸元に伸ばした。そっと服を掴み、体を前にかがませるようにゆっくりと引っ張る。
「詩織……?」
突然の事に驚いた総悟くんの声を、耳元で間近に聞く。
チュッ
総悟くんの頬に口付けた私は、飛び下がるように総悟くんから離れた。
「きょ、今日はこれで許してください。あの、また日を改めてちゃんとプレゼントを準備……っ!」
続きは、言えなかった。
気が付いた時には総悟くんの腕の中で、唇を塞がれた状態になっていたから。
「そ……!」
一瞬唇が離れ、名を呼ぼうとしたもののまた、唇が重ねられる。そのまま暫く、私は言葉を発することを許されなかった。