狙い(銀時)
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詩織が目を覚ますと、既に部屋は明るかった。カーテン越しに見える空は、完全に朝の様相だ。
「起きなきゃ……」
寝起きで半分も開いていない目がサイドテーブルを見る。そこはスマホとリモコンの定位置であり、この時期詩織が目覚めてまず最初にするのは、エアコンを起動することだった。
もぞもぞと布団から手だけを出し、いつものようにリモコンを掴む。そして暖房ボタンに触れながら頭上のエアコンに向けた時──
「へ?」
突如手の中のリモコンが消えた。
驚きで見開いた目が見たのは、そのリモコンの行き先。
「銀さん……」
どうやら昨夜泊まりに来ていた銀時が、詩織から奪い取っていたようだ。しかも詩織に名を呼ばれてニヤリと笑った銀時は、握っていたリモコンを布団の中に隠してしまう。
「え? ちょっと銀さん何やってるのよ。リモコン返して!」
「やなこった」
「何でよ。だったらせめて電源入れて」
「それも嫌でェす」
「はい!?」
朝っぱらからまた何をふざけているのかと呆れる詩織。
壁の時計を見れば、七時半を回ったところだ。今日は休日だが、そこそこ予定はあるため、朝の内に出来ることはやっておきたい。だからこそ、円滑に動けるよう部屋の温度管理は必須だ。
「ふざけてないでエアコン入れてよ。寒いと動けないでしょ」
体の向きを変え、布団の中で銀時に覆いかぶさるようにしてリモコンを探る。だが手の届く範囲には見つからない。伸ばした詩織の手に触れるのは、寝乱れてはだけた銀時の熱だけ。
「もう、いい加減リモコン出しなさいってば! このままじゃ布団から出られないじゃない」
小さく照れを見せながら、ペシペシと銀時の胸板を叩く。そんな詩織を抱きしめながら、銀時は言った。
「バァカ。それを狙ってるんだっつーの」
〜了〜
「起きなきゃ……」
寝起きで半分も開いていない目がサイドテーブルを見る。そこはスマホとリモコンの定位置であり、この時期詩織が目覚めてまず最初にするのは、エアコンを起動することだった。
もぞもぞと布団から手だけを出し、いつものようにリモコンを掴む。そして暖房ボタンに触れながら頭上のエアコンに向けた時──
「へ?」
突如手の中のリモコンが消えた。
驚きで見開いた目が見たのは、そのリモコンの行き先。
「銀さん……」
どうやら昨夜泊まりに来ていた銀時が、詩織から奪い取っていたようだ。しかも詩織に名を呼ばれてニヤリと笑った銀時は、握っていたリモコンを布団の中に隠してしまう。
「え? ちょっと銀さん何やってるのよ。リモコン返して!」
「やなこった」
「何でよ。だったらせめて電源入れて」
「それも嫌でェす」
「はい!?」
朝っぱらからまた何をふざけているのかと呆れる詩織。
壁の時計を見れば、七時半を回ったところだ。今日は休日だが、そこそこ予定はあるため、朝の内に出来ることはやっておきたい。だからこそ、円滑に動けるよう部屋の温度管理は必須だ。
「ふざけてないでエアコン入れてよ。寒いと動けないでしょ」
体の向きを変え、布団の中で銀時に覆いかぶさるようにしてリモコンを探る。だが手の届く範囲には見つからない。伸ばした詩織の手に触れるのは、寝乱れてはだけた銀時の熱だけ。
「もう、いい加減リモコン出しなさいってば! このままじゃ布団から出られないじゃない」
小さく照れを見せながら、ペシペシと銀時の胸板を叩く。そんな詩織を抱きしめながら、銀時は言った。
「バァカ。それを狙ってるんだっつーの」
〜了〜
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