いつも傍に(銀時)
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「まァ周辺は真選組が固めてっから、誰かがここに入ってくるなんざ万に一つもねーけどな。外がバタバタしてたら不安だろうし、捕物が終わるまで銀さんが傍にいてやっから」
ポンポンと詩織の頭を叩き、微笑む銀時。それは詩織を包み込むような優しい笑顔だった。
その笑顔が不安を払拭したのだろう。詩織も微笑みで返す。
「うん、ありがとう、銀さん」
「べ、別に礼を言われるほどのことじゃねーし」
詩織の笑顔で更に頬を赤くした銀時は、照れくささを隠そうと慌てて顔をそむける。だがチラリと視線を戻して詩織の表情を伺うと、今度は明るい笑顔を見せた。
そのまま二人は談笑しながら時間を潰していた。
とは言えやはり外から足音や叫び声が聞こえる度に、詩織は怯えを見せる。それでも肩を抱く銀時の温もりがすぐにその緊張を解し、笑顔を取り戻させた。
やがて捕物は終わり、犯人の仲間も全て捕縛されたとの連絡が入る。詩織の代わりに電話で報告を受けた銀時は、その詳細を詩織に伝えた。
「犯人は捕まったが、今後も真選組はこの辺りの見廻りを強化するみてェだぜ。気に食わねー奴らだが、腕だけは保証できるから安心しとけ」
「うん、分かった」
「ってなわけで銀さんはお役御免だな」
「え?」
「え? じゃなくて。捕物も終わったし、もう銀さんがいる必要はねーだろ」
「……そっか……そうだよね。そうだった……」
「んじゃ、帰るとしますか」
ん〜っと大きく伸びをした銀時は、ヒラヒラと手を振り玄関に向かう。慌てて後を追いかける詩織だったが、その表情は浮かなかった。
すると玄関まであと一歩の所で足を止めた銀時が、振り向いて言う。
「……なァ、詩織」
「何?」
「銀さんに依頼しても良いんだぜ」
「はい?」
突然振られた話にキョトンとする詩織。
「いきなり何の話?」
「だ〜から依頼だよ。い・ら・い。銀さんが帰るっつったら、途端に不安そうな顔しやがって。一人になりたくねーんなら、傍にいてくれって銀さんに言やァ良いじゃねェか。詩織が望むなら何日でも何年でも……いっそ無期限でその依頼受けてやっから」
「銀さん……!」
それは少しだけ遠回しな銀時の告白。驚きで固まった詩織はしばし銀時を見つめていたが、その瞳からポロリとこぼれ落ちたのは喜びの涙だった。
「らしくないこと言っちゃって」
涙を拭いながらクスクスと笑う詩織の頬が、桜色に染まっていく。その色は銀時の頬をも染めていった。
「うるせェよ! ったく……嬉しいなら素直に喜びやがれってェの」
「だって無期限の依頼だなんて、依頼料が怖いもん」
「そこは身内価格にしてやっから。そうだなァ、依頼料はエアコンの効いた部屋と……」
「部屋と?」
復唱した詩織を、銀時の腕がふわりと包む。
「お互いがちゃんと傍にいるかを、毎日こうやって確認しあう事。……ってのはどうだ?」
そう言って銀時は、詩織の唇にそっと口付けた。
〜了〜
ポンポンと詩織の頭を叩き、微笑む銀時。それは詩織を包み込むような優しい笑顔だった。
その笑顔が不安を払拭したのだろう。詩織も微笑みで返す。
「うん、ありがとう、銀さん」
「べ、別に礼を言われるほどのことじゃねーし」
詩織の笑顔で更に頬を赤くした銀時は、照れくささを隠そうと慌てて顔をそむける。だがチラリと視線を戻して詩織の表情を伺うと、今度は明るい笑顔を見せた。
そのまま二人は談笑しながら時間を潰していた。
とは言えやはり外から足音や叫び声が聞こえる度に、詩織は怯えを見せる。それでも肩を抱く銀時の温もりがすぐにその緊張を解し、笑顔を取り戻させた。
やがて捕物は終わり、犯人の仲間も全て捕縛されたとの連絡が入る。詩織の代わりに電話で報告を受けた銀時は、その詳細を詩織に伝えた。
「犯人は捕まったが、今後も真選組はこの辺りの見廻りを強化するみてェだぜ。気に食わねー奴らだが、腕だけは保証できるから安心しとけ」
「うん、分かった」
「ってなわけで銀さんはお役御免だな」
「え?」
「え? じゃなくて。捕物も終わったし、もう銀さんがいる必要はねーだろ」
「……そっか……そうだよね。そうだった……」
「んじゃ、帰るとしますか」
ん〜っと大きく伸びをした銀時は、ヒラヒラと手を振り玄関に向かう。慌てて後を追いかける詩織だったが、その表情は浮かなかった。
すると玄関まであと一歩の所で足を止めた銀時が、振り向いて言う。
「……なァ、詩織」
「何?」
「銀さんに依頼しても良いんだぜ」
「はい?」
突然振られた話にキョトンとする詩織。
「いきなり何の話?」
「だ〜から依頼だよ。い・ら・い。銀さんが帰るっつったら、途端に不安そうな顔しやがって。一人になりたくねーんなら、傍にいてくれって銀さんに言やァ良いじゃねェか。詩織が望むなら何日でも何年でも……いっそ無期限でその依頼受けてやっから」
「銀さん……!」
それは少しだけ遠回しな銀時の告白。驚きで固まった詩織はしばし銀時を見つめていたが、その瞳からポロリとこぼれ落ちたのは喜びの涙だった。
「らしくないこと言っちゃって」
涙を拭いながらクスクスと笑う詩織の頬が、桜色に染まっていく。その色は銀時の頬をも染めていった。
「うるせェよ! ったく……嬉しいなら素直に喜びやがれってェの」
「だって無期限の依頼だなんて、依頼料が怖いもん」
「そこは身内価格にしてやっから。そうだなァ、依頼料はエアコンの効いた部屋と……」
「部屋と?」
復唱した詩織を、銀時の腕がふわりと包む。
「お互いがちゃんと傍にいるかを、毎日こうやって確認しあう事。……ってのはどうだ?」
そう言って銀時は、詩織の唇にそっと口付けた。
〜了〜
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