お雛様の座り方(坂田銀八)
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銀八とソファでくつろいでいた時。
たまたまテレビでやっていた雛人形特集を見て、ふと思い出した私は言った。
「ねぇ銀八。雛人形って男雛が向かって左の物が多いけど、反対の物もあるんだってね」
「関東雛と京雛の違いってやつだろ?」
まさか即答されるとは思わず、心底驚いて彼を見る。
「へぇ。やる気は無くても知識はあるんだ。さすが先生だねぇ」
「喧嘩売ってんのかよ。まァ雛人形なんて俺は興味ねーから、左右どっちでも構わねェな」
「酷ーい。可愛い彼女のお祝い事でもあるんだから、少しは興味持とうと思わないの?」
この男ならそうだろうとは思いながらも、納得しきれなくて拗ねてみた。
そんな私に銀八は、気怠そうに頭の後ろを掻きながら言う。
「だって俺たちには関係ねーだろ」
「関係なく無いでしょ。私だってこれでも一応女……」
そこまで言いかけた時、突然後ろから私の脇の下に銀八の手が通された。
「えぇっ!?」
ふわりと持ち上げられ、驚く私の体が着地したのは銀八の膝の上。
「銀八?」
「詩織の指定席はココだからな。左右じゃなくて前後……いや、上下か?」
振り向いて銀八を見れば、ニヤリと笑いながら私の腰に手をまわしてくる。
「何よそれ。雛人形がどうとかじゃなくて、単にいちゃつきたかっただけでしょ」
「そうとも言う、かもな」
私の背中に口付けるように顔を押し付けてくる銀八。少しずつ位置が上へと移動するのは、私を誘っている証だろう。
「……ホントにもう。私は体が硬いから、これ以上体は回らないわよ」
「んじゃ、こっち向けよ」
銀八の腕が離れると一旦膝から降り、今度は銀八を正面にして座りなおす。
そこにはとても嬉しそうな銀八の顔があり、私も思わず笑みがこぼれた。
――そういや子供の頃、雛人形が会話できるようにって向かい合わせに並べた事があったなぁ。
銀八の優しい口付けを受けながら思い出したのは、未だ幼かった頃の自分。
大切な人がいつも隣にいるのは嬉しいけれど、こうしてお互いの存在を触れて確かめ合える幸せもあるという事を知ったのはいつだったか。
「大人の雛人形は、これが定番だよな」
「罰当たりな事言わない!」
頬を挟んで軽くぺチリと叩けば、「イテェよ」と私の手を掴む銀時。
じっと見つめてくる眼差しに吸い寄せられた私は、そのまま再び銀八と唇を重ねた。
〜了〜
たまたまテレビでやっていた雛人形特集を見て、ふと思い出した私は言った。
「ねぇ銀八。雛人形って男雛が向かって左の物が多いけど、反対の物もあるんだってね」
「関東雛と京雛の違いってやつだろ?」
まさか即答されるとは思わず、心底驚いて彼を見る。
「へぇ。やる気は無くても知識はあるんだ。さすが先生だねぇ」
「喧嘩売ってんのかよ。まァ雛人形なんて俺は興味ねーから、左右どっちでも構わねェな」
「酷ーい。可愛い彼女のお祝い事でもあるんだから、少しは興味持とうと思わないの?」
この男ならそうだろうとは思いながらも、納得しきれなくて拗ねてみた。
そんな私に銀八は、気怠そうに頭の後ろを掻きながら言う。
「だって俺たちには関係ねーだろ」
「関係なく無いでしょ。私だってこれでも一応女……」
そこまで言いかけた時、突然後ろから私の脇の下に銀八の手が通された。
「えぇっ!?」
ふわりと持ち上げられ、驚く私の体が着地したのは銀八の膝の上。
「銀八?」
「詩織の指定席はココだからな。左右じゃなくて前後……いや、上下か?」
振り向いて銀八を見れば、ニヤリと笑いながら私の腰に手をまわしてくる。
「何よそれ。雛人形がどうとかじゃなくて、単にいちゃつきたかっただけでしょ」
「そうとも言う、かもな」
私の背中に口付けるように顔を押し付けてくる銀八。少しずつ位置が上へと移動するのは、私を誘っている証だろう。
「……ホントにもう。私は体が硬いから、これ以上体は回らないわよ」
「んじゃ、こっち向けよ」
銀八の腕が離れると一旦膝から降り、今度は銀八を正面にして座りなおす。
そこにはとても嬉しそうな銀八の顔があり、私も思わず笑みがこぼれた。
――そういや子供の頃、雛人形が会話できるようにって向かい合わせに並べた事があったなぁ。
銀八の優しい口付けを受けながら思い出したのは、未だ幼かった頃の自分。
大切な人がいつも隣にいるのは嬉しいけれど、こうしてお互いの存在を触れて確かめ合える幸せもあるという事を知ったのはいつだったか。
「大人の雛人形は、これが定番だよな」
「罰当たりな事言わない!」
頬を挟んで軽くぺチリと叩けば、「イテェよ」と私の手を掴む銀時。
じっと見つめてくる眼差しに吸い寄せられた私は、そのまま再び銀八と唇を重ねた。
〜了〜
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