永劫の間で(九尾銀時)
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そして時は今に繋がり。
「あの時の妖怪は、誰が見たって銀さんの足元にも及ばない低級の輩だった。それでも私は何の力も無くて、他にどうする事もできなかったんだ」
思い出した記憶を辿りながら、簪を握りしめて悔しそうに言う詩織。そんな彼女を見つめる銀時もまたあの日のことを思い出し、胸を痛めていた。
「すまねェ、詩織。俺が守ってやらなきゃなんなかったってェのに……お前一人を辛い目に合わせちまった。ホントにすまねェ」
「ああ、違うの。銀さんは何も悪くないわ!」
銀時に謝られ、詩織が慌ててそれを否定する。
「悪いのは全てあの妖怪よ。ただ、今際の際の願いが強かったせいか、銀さんの付けた痕の影響かは分からないけど、今の私には生まれつき妖怪を祓う力があった。でもだからこそ命を狙われたり、周りに迷惑をかける事も多くて……このままじゃいけない。もっと強くならなきゃいけないと思ったの」
「そんで祓い屋になったってか」
「力を持っていても、使い方を知らなきゃ意味がないでしょ。それにね、物心付いた頃から不思議とこの山に焦がれてのよ。強い妖力を持った妖怪がいるのも感覚で分かってたしーー」
そこで言葉を切った詩織は、銀時をじっと見つめる。
「な、何だよ」
意味ありげな視線に銀時が戸惑うと、何故か詩織は少しだけ泣きそうな笑顔を見せた。
「詩織?」
「祓い屋の中でも一目置かれるようになってから、ここに来たつもりだったんだけど……まだまだね」
そう言うと詩織は、ポケットから小さなケースを取り出す。蓋を開けると、中には先程銀時に刺した物と同じ針が入っていて。詩織はそれを簪と並べて掌に置いた。
「当たり前のようにこの針を祓いの道具としてたけど、きっとあの時の簪の記憶が、形を変えて私に選ばせたんだろうな」
「刺す繋がりってか? っつーかそういやあの針、地味に痛かったんですけどッ!」
「ごめんなさ〜い。もうしないから許して、ね?」
ムッとする銀時に、アハハと冷や汗をかきながら謝罪する詩織。そんな詩織に苦笑いをした銀時は、後頭部を掻きながら「ったく……」とため息をつくと、詩織の額に口付けた。
「んじゃ、捨てちまえよ」
「え?」
考えもしていなかった言葉が、詩織の目を丸くさせる。
「捨てちまえって、これは私の大切な商売道具で……」
「そんなモン使わなくても、銀さんがもう二度とお前を妖怪と対峙なんかさせねーから。祓い屋稼業なんざもう廃業。これからはずっと銀さんが傍にいて、お前を守ってやるよ」
「どういう事……?」
額への口付けが移動し、頬から唇、そして鎖骨に触れた。過去の自分が付けた痕にもう一度唇を当てると、詩織が思わず「……っ」と小さな声を漏らす。
更に鮮やかさを増した痕を確認し、何かを決意したように頷いた銀時は、尻尾の上から詩織を降ろした。
「あの時の妖怪は、誰が見たって銀さんの足元にも及ばない低級の輩だった。それでも私は何の力も無くて、他にどうする事もできなかったんだ」
思い出した記憶を辿りながら、簪を握りしめて悔しそうに言う詩織。そんな彼女を見つめる銀時もまたあの日のことを思い出し、胸を痛めていた。
「すまねェ、詩織。俺が守ってやらなきゃなんなかったってェのに……お前一人を辛い目に合わせちまった。ホントにすまねェ」
「ああ、違うの。銀さんは何も悪くないわ!」
銀時に謝られ、詩織が慌ててそれを否定する。
「悪いのは全てあの妖怪よ。ただ、今際の際の願いが強かったせいか、銀さんの付けた痕の影響かは分からないけど、今の私には生まれつき妖怪を祓う力があった。でもだからこそ命を狙われたり、周りに迷惑をかける事も多くて……このままじゃいけない。もっと強くならなきゃいけないと思ったの」
「そんで祓い屋になったってか」
「力を持っていても、使い方を知らなきゃ意味がないでしょ。それにね、物心付いた頃から不思議とこの山に焦がれてのよ。強い妖力を持った妖怪がいるのも感覚で分かってたしーー」
そこで言葉を切った詩織は、銀時をじっと見つめる。
「な、何だよ」
意味ありげな視線に銀時が戸惑うと、何故か詩織は少しだけ泣きそうな笑顔を見せた。
「詩織?」
「祓い屋の中でも一目置かれるようになってから、ここに来たつもりだったんだけど……まだまだね」
そう言うと詩織は、ポケットから小さなケースを取り出す。蓋を開けると、中には先程銀時に刺した物と同じ針が入っていて。詩織はそれを簪と並べて掌に置いた。
「当たり前のようにこの針を祓いの道具としてたけど、きっとあの時の簪の記憶が、形を変えて私に選ばせたんだろうな」
「刺す繋がりってか? っつーかそういやあの針、地味に痛かったんですけどッ!」
「ごめんなさ〜い。もうしないから許して、ね?」
ムッとする銀時に、アハハと冷や汗をかきながら謝罪する詩織。そんな詩織に苦笑いをした銀時は、後頭部を掻きながら「ったく……」とため息をつくと、詩織の額に口付けた。
「んじゃ、捨てちまえよ」
「え?」
考えもしていなかった言葉が、詩織の目を丸くさせる。
「捨てちまえって、これは私の大切な商売道具で……」
「そんなモン使わなくても、銀さんがもう二度とお前を妖怪と対峙なんかさせねーから。祓い屋稼業なんざもう廃業。これからはずっと銀さんが傍にいて、お前を守ってやるよ」
「どういう事……?」
額への口付けが移動し、頬から唇、そして鎖骨に触れた。過去の自分が付けた痕にもう一度唇を当てると、詩織が思わず「……っ」と小さな声を漏らす。
更に鮮やかさを増した痕を確認し、何かを決意したように頷いた銀時は、尻尾の上から詩織を降ろした。
